台湾のトム・リンやパン・カーイン初長編作も!第20回大阪アジアン映画祭、全ラインナップ発表!


 第20回の節目を迎える大阪アジアン映画祭の全ラインナップとスケジュールが発表され、スペシャル・オープニング作品、第一弾ラインナップ、クロージング作品に続き、「コンペティション部門」、「特別注視部門」、「インディ・フォーラム部門」、特集企画<タイ・シネマ・カレイドスコープ2025>、<台湾:電影ルネッサンス2025>、<Special Focus on Hong Kong 2025>、「特別招待作品部門」の全67作品が出揃った。



 カザフスタンからは、スペシャル・オープニング作品のQ−POP(カザフスタンポップ)をフューチャーしたミュージカルエンタテインメント映画『愛の兵士』に続き、TV局勤務のキャリアウーマンがプロパガンダになっていく報道、妻のいる男との恋愛、レズビアンで活動家の妹に疲弊していく様を鋭い視点とブラック・ユーモアで描く人間ドラマ『バイクチェス』(カザフスタン)がラインナップ。中央アジアで最も注目される、カザフスタン映画の現在を紹介する。



ゲイであることをクラス中に知られてしまった転校生が主人公の『君と僕の5分』(韓国)、中国の同性愛者を巡る日々をユーモアと皮肉を交えて描いた『イケメン友だち』(フランス)、同性パートナーとの死別を描いた『いばらの楽園』(タイ)や60 代のレズビアンカップルが主人公のベルリン国際映画祭 2024テディ賞受賞作『All Shall Be Well(英題)』(香港)など、世代を問わない多様な関係を描くLGBTQを題材にした作品が新たにラインナップされた。

©️2023 Mise_en_Scene_filmproduction



香港映画の歴史を塗り替える大ヒットを記録した『ラスト・ダンス <ディレクターズカット>』(香港)の世界初上映、キングオブP-POP(フィリピンPOP)グループ“SB19”のワールドツアーに密着した『PAGTATAG! ザ・ドキュメンタリー』(フィリピン)、幽霊がひとを怖がらせる特訓に励む『返校 言葉が消えた日』のジョン・スー監督最新作のオカルト・コメディ『鬼才の道』(台湾)、パロディ満載ぶっ飛びコメディ『ムエタイ・ハッスル』(タイ)、濃厚キャラ大集合の結婚詐欺ドタバタ喜劇『トロフィー・ブライド』(ベトナム)など、多彩なアジア映画が上映される。©️Activator Co., Ltd.



 また、OAFF2014 審査委員、『星空』(OAFF2012)、『夕霧花園』(OAFF2020)のトム・リン監督最新作がコンペティション部門に入選。母と娘の運命を主軸に、静謐なモノクロ映像がふたつの時間軸を交錯させていく。キミ・シア、ヤン・グイメイ主演作だ。©️Bering Pictures



 そして『姉ちゃん』(OAFF2022)『できちゃった?!』(OAFF2023)の短編で、映画祭でも高い評価と人気を誇ったパン・カーイン監督待望の長編初監督作品のコンペティション部門入選を果たしている。また、ごく普通の家族の歴史に脈々と引き継がれる秘密。その秘密によって苦しみ、引き裂かれ、再び結ばれる姿を、家族それぞれの視点から丁寧かつ滑稽に描く。©️2025 Key In Films Ltd.



 日本映画に目を向けると、『違う惑星の変な恋人』の木村聡志監督が描く、ユーモラスでほろ苦い 10 代の青春群像がコンペティション部門に入選を果たした。BE:FIRST らが所属する BMSG 所属の日隠(KANON)が映画初出演・初主演を務める。

©️「代々木ジョニーの憂鬱な放課後」製作委員会


他にもインディ・フォーラム部門では、OAFF常連の宮崎大祐監督最新作『V. MARIA』、『ひまわりと子犬の 7 日間』平松恵美子監督最新作の『蔵のある街』、『市子』の戸田彬弘監督最新作『爽子の衝動』、『喜劇愛妻物語』『雑魚どもよ、大志を抱け!』の足立紳監督最新作『Good Luck』などインディペンデント精神溢れるベテラン勢の話題作が揃った。


最後に同映画祭の暉峻創三プログラミング・ディレクターは、

「記念すべき第 20 回にふさわしい、豪華ラインナップが実現しました。過去回の大阪アジアン映画祭に入選した数多くの監督たちが、その最新、最高の新作を出品。そのなかには、かつて短編作家として入選した監督による長編デビュー作の、コンペ部門における世界初上映、海外初上映も含まれます(『我が家の事』『その人たちに会う旅路』)。

一方で、アジア映画と世界の未来を照らし出す新トレンドにも要注目。主に新鋭の作品が揃う場だったインディ・フォーラム部門では、既に業界で名声を築いた監督が敢えてインディな座組で自由闊達な表現を実現した傑作が複数入選。また全部門・特集にわたって、既成の男女の性役割・関係性にとらわれない新しいあり方を示唆した作品が並んでいます。」

とコメントを寄せている。春のアジア映画のお祭り、20年の節目となる豊かなラインナップをぜひ楽しんでほしい。


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チケットは3 月 6 日(木)より順次発売(公式サイトにてご確認ください)