「FEMMES FEMMES 女たち/女たち」パトリス・ボワトー写真展@ギャラリー古都

映像作家、写真家、演出家、そして20年間続いた大阪ヨーロッパ映画祭の実行委員長でもあるパトリス・ボワトー氏の写真展「FEMMES FEMMES 女たち/女たち」が、京都・河原町のギャラリー古都で現在開催中だ。


総合タイトルの「女たち/女たち」は70年代のフランス映画(ポール・ヴェキアリ監督)からとられたもので、全て女たちの様々な表情が、6つのテーマによって展開。もちろん、そのテーマも映画のタイトルからとられている。全てを見渡して強く感じたのは、年齢や人種を問わず、実に多民族の女性たちの表情、身体、営み、人生をドラマチックに捉えていること。

『欲望のあいまいな対象』ルイス・ブニュエル監督

引き締まった背中、美しいヒップ、女の目から見ても惚れ惚れするような姿をはじめ、顔を見せないことがより欲望を掻き立てる。モノクロのポートレイトが、潜在意識を刺激する。


『雪華葬刺し』高林陽一監督

女性の体の様々な場所に刻み込まれたタトゥ。メッセージもあれば、日本の伝統的な刺青を彷彿させるものまで、多様だ。そこに込められた自己主張のようなものを感じながら、ひたすら肌に刻まれたタトゥを見つめる。

『女だけの都』 ジャック・フェデー監督

近年はフィリピンと日本を行き来しているというボワトー氏。アジアの風をたっぷり感じる女たちのポートレートの中には、昨年のクリスマス、香港でデモに参加した時に撮ったというポートレートも。女たちの日常から、輝く表情を切り取る。


『M/OTHER』諏訪敦彦監督

若い母親と、そのおっぱいを必死で吸おうとする赤ちゃん。母の腕の中でもがいたり、甘えたり、そんな母子の姿を、光の中で映し出す。大変だけれど、女性が一番輝く瞬間でもあるのだ。

『カレンダー・ガールズ』ナイジェル・コール監督

この映画のタイトルを見て、思わずニヤリ。そう、名もなき町のシニア女性たちが、自らモデルとなって病院へ寄付をするためヌードカレンダーを制作するという物語なので、ヌードこそないものの、人生という荒波をくぐり生きてきた市井の人のふとした瞬間を捉えている。白髪一本一本まで鮮やかに映された女性がどれだけ素敵なことか。


個展の入口でもあり、出口でもあるところに掲げられたこのポートレートの老女の表情と皺、そしてぎゅっと握った手の力に圧倒されてしまう。聞くと、この女性はボワトー氏の実母で、犬を触ろうとして誤って転んでしまい、顔に怪我をしたため、せっかくなら遊んでしまおうと、ボクシングのスパーリングのようなポーズを取ってもらったのだとか。息子に向ける視線の強さが、私をしっかりと捉えたのだなぁと妙に納得。フランス人のボワトー氏の写真展は、フランス語も飛び交い、写真の内容共々、本当にボーダレスだ。写真展を鑑賞している私たちも被写体となる。そんな、双方向の写真展。一つ一つの写真に込められたストーリーを感じて、見終わった時には、なぜだか世界中の女性たちに勇気付けられていた。


[女たち / 女たち] パトリス・ボワトー 写真展  

日程:2020年1月23日(木)~ 2月4日(火) 1月29日(水)は休廊日

時間:11:00〜18:00(最終日は15:00まで)  

場所:ギャラリー 古都  

〒604-8027 京都市中京区河原町通蛸薬師東側 塩屋町327 三條サクラヤビル6F