『ばるぼら』プレミア上映、震災前・震災後・現在の阪神間映画特集も。第21回宝塚映画祭、10/30より開催。
宝塚歌劇で知られる宝塚市は、かつて「映画の都」だった。戦前の1938年に開設された宝塚映画が戦後、1951年に「宝塚映画製作所」として再出発。火災によるスタジオ焼失を乗り越え、1956年4月に当時最新鋭の設備を誇る東洋一とうたわれたモダンな撮影所がオープンした。日本映画の全盛期に時代劇からミュージカル、お得意の人情喜劇、そして文芸大作まで多種多様な映画を作り続け、宝塚の街には、谷口千吉、黒澤明、木下恵介、小津安二郎、稲垣浩、久松静児ら名監督から、森繁久彌、三船敏郎、加山雄三、美空ひばり、江利チエミ、司葉子、新珠三千代、原節子など伝説の映画スターの姿が見られたという。
毎年宝塚映画の特集を核に、貴重な名作から新作まで幅広く紹介している宝塚映画祭が、今年は10月30日(金)〜11月5日(木)までの7日間、宝塚のシネ・ピピアにて開催される。21回目となる今年の見所をご紹介したい。
■宝塚映画名作選
宝塚映画製作所で作られた名作の数々、一挙9本上映する。
・宝塚歌劇の全面協力で生まれた『ジャズ娘乾杯!』『ハイハイ3人娘』
・松林宗恵監督生誕100年を記念し、司葉子、宝田明主演の哀愁メロドラマ『美貌の都』
・<追悼・八千草薫>『世にも面白い男の一生 桂春団治』
・宝塚映画の力量を内外に示した戦争アクションの傑作『独立機関銃隊未だ射撃中』『蟻地獄作戦』
・岡本喜八監督が中里介山原作の大長編に挑んだ『大菩薩峠』
・かつて宝塚にあった「宝塚新芸座」総出演の『弥次喜多漫才道中 化け姫騒動の巻』と『漫才長屋は大騒ぎ』
■新作プレミア上映
この秋公開の話題作・問題作をいち早く上映!
・『ばるぼら』特別プレミア上映 ※舞台あいさつ:手塚眞監督(11/3)
禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、その独特な世界観から“映画化不可能”と言われた手塚治虫の問題作を、実子の手塚眞が待望の映画化。稲垣吾郎、二階堂ふみ、渋川清彦、石橋静河ら実力派の競演や、クリストファー・ドイルの撮影も見どころ。
・『普通に死ぬ〜いのちの自立〜』 ※舞台あいさつ:貞末麻哉子監督(11/3)
地域での医療的ケアを求めて、伊丹や西宮でも撮影。親も子も年齢を重ねていくなかで、どうしたら生まれ育った地域で普通に生き、死んでいくことができるのか…。厳しい現実と希望を見つけだす渾身作。
■阪神間映画特別上映〜阪神・淡路大震災25周年/震災前・震災直後・現在…映画で描かれた神戸
阪神・淡路大震災から25周年を記念し、神戸のまちの震災前・震災直後・震災から25年を映し出した3作品を上映する。
・震災前〜『シーズ・レイン She's Rain』 ※舞台あいさつ:白羽弥仁監督(10/31)
『劇場版 神戸在住』『みとりし』などの白羽弥仁監督の劇場デビュー作。震災前の神戸の街を舞台に、若者の日常や恋愛を描いた鮮烈な青春映画。美しい神戸と阪神間のかつての風景、震災で閉店となった名店や名所が満載、貴重な街の記録としても注目の一作。
・震災直後〜『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』
戦後の混乱期に戦死した長男の遺骨を故郷へ納めるため、淡路島から故郷の宮崎へ向かう一家を描いた篠田正浩監督作品。震災直後の神戸で撮影を敢行し、復興を願った名匠の渾身作。
・震災25周年記念〜『れいこいるか』
阪神淡路大震災で一人娘のれいこを亡くした夫婦の23年間にわたる葛藤と心の回復を描くいまおかしんじ監督最新作。震災直後から原案を温め、25年の節目に合わせて作品化。下町の風情が残る長田区の路地裏などオール神戸ロケで撮影された現在全国で絶賛公開中の同作を記念上映。
前売券は、シネ・ピピア、宝塚市文化財団、宝塚ベガホール、宝塚文化創造館、ローソンチケット〈Lコード:53712〉にて10月1日(木)より発売。
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