「生涯最高の宝物」『ねばぎば 新世界』なんばパークスシネマ舞台挨拶レポート

 

  上西雄大監督による最新作『ねばぎば 新世界』の上映が、7月16日より関西の映画館でスタートした。熱烈なリピーターファン、追いくずを生み、シアターセブンでは8か月に渡るロングラン上映が続くなど、前作『ひとくず』が大きな話題を集めた上西監督。今回の作品では赤井英和さんを主演に迎え、大阪・新世界を舞台に元受刑囚・勝吉と失読症の弟分・コオロギが謎の宗教団体に立ち向かう人情味溢れる痛快アクションドラマを展開している。



   なんばパークスシネマ公開2日目の7月17日に行われた舞台挨拶では、出演者の赤井英和さん、上西雄大監督、徳竹未夏さん、上山勝也さん、草刈健太郎さん、古川藍さんの6人が登壇。100人を超える観客が集まり、その公開を祝福した。


   

   主演を務めた赤井さんはコロナ禍での上映延期に触れつつ、「初回上映から、たくさんのお客様に来ていただきまして感謝申し上げます」と感慨しきり。W主演も務めた上西監督は「赤井さんと一緒にバディを組んだ作品に出演し、たくさんの方々に観ていただけて身が震えるほど感動しております」と、熱い思いを語った。



「赤井さんの一ファンとして、その魅力を見せられる作品にしたかった」と語る監督は「赤井さんの大阪弁は唯一無二、それをこの映画で真ん中にキチッと通して描ければ」と脚本執筆段階から考えていたという。そんな作品に対し、赤井さんは「ドキがムネムネ、胸がドキドキしましたね」とダジャレを交えつつも「昭和の名作『悪名』を観ているような感じがして、この二人がこれから何をしでかすんかな」と今後のシリーズ化への期待も語った。

自身の舞台作品『コオロギからの手紙』に続き、コオロギという人物を登場させた監督は、失読症へのリサーチを活かしたことも語った。「彼は独りでは道を踏み外してしまうような人間で、勝吉のそばでこそ前を向いて悪と戦うことが出来る。彼のそばにいると誰よりも力を発揮できる役割を彼に託したかった」のだという。



一方、赤井さんとは45年間以上の付き合いで、串カツ「だるま」の四代目大将でもある上山さんは「コロナ禍でおもろいことも出来へんかった。そんな発想から、この映画が出来たということで感動しております」と作品への思いを語った。「赤井さんが撮影の時に入ってはって、横で『こんなんでよろしいですか』と演技指導をしてもらった」と語り、監督は「二人の友情は本物なので、なんとか映画に取り込めば、すごい力になると確信していた」と彼らの関係が作品に良い影響を与えたことを語る。尺の都合からカットした場面にも痺れるものがあったとのことで、今後、ディレクターズカット版の上映を実現させるという決意も観客に表明した。



「赤井さんは普段会う時とは異なり、撮影現場で目の色がパっと変わるんです。やっぱり、プロやなぁと思いました」と語ったのは、カンサイ建装工業株式会社の社長でもある草刈さん。「撮影中にも繰り返し指導していただいた」と赤井さんへの感謝を語り、「私たちが忘れがちな義理と人情、弱気を助け、強気を挫くといった任侠道を改めて思い出させていただくような素晴らしい映画」と作品にも太鼓判を押していた。



普段、激しい役が多いという古川さんは「真面目なおしとやかで、芯のあるしっかりとした女性を演じることが出来て、本当に楽しかったです」と語り、「終始、現場も楽しかったので、皆さんでこういうお芝居が作れて良かったなぁと思っています」と製作・キャスト陣への感謝を述べた。



また、格闘技経験があり、劇中でアクションシーンを披露した徳竹さんは「監督がブルース・リー好きで、一番おいしいところを演じさせていただきました」と語る。赤井さんの粋な一声で、劇中のブルース・リーの掛け声モノマネを披露することになった一幕では、客席から大きな拍手が沸き上がった。



舞台挨拶の最後には「別の座席で観ていただいたり、繰り返し観ることで、また新しい発見がある映画だと思います。是非とも、また劇場に来て、ご覧いただけたらなと思います」と語った赤井さん。



上西監督も「生涯最高の宝物」と本作への強い思い入れを明らかにし、「一作で終わらせたくないので、今日、観て、楽しかったなと思われた方は、是非、SNS等で広げていただけるとありがたいです!」と述べ、「続編を観たいと思いませんか?」という呼びかけには観客席から盛大な拍手が送られた。


年内には『西成ゴローの四億円』2部作も公開が予定されており、ますます今後の活躍が期待される上西雄大監督と、関西きっての名俳優・赤井英和さんが初タッグを組んだ『ねばぎば 新世界』。

大阪・新世界に生きる男たちの活躍と心温まる人情劇を、是非、多くの方々の目に焼き付けていただきたい!

『ねばぎば 新世界』は、なんばパークスシネマ、MOVIX堺、第七藝術劇場、京都みなみ会館ほかで公開中、8/7(土)~8/13(金)には、元町映画館で上映予定。

また、監督の前作『ひとくず』は、シアターセブンにて絶賛ロングラン上映中、8/4(水)〜8/11(水)には、パルシネマしんこうえんでも上映予定。

(大矢哲紀)