オンライン座オープニングは渡辺真起子主演の『トルソ』に。第17回大阪アジアン映画祭、概要発表。


 今年で17回目を迎える大阪アジアン映画祭の概要が発表され、シアター上映に加えて、昨年スタートした、過去同映画祭で上映した作品をオンライン上映する「大阪アジアン・オンライン座」のハイブリッドで開催される。

 シアター上映に先駆け、3月3日(木)から21日(祝・月)まで開催されるオンライン座のオープニング作品は、大阪アジアン映画祭2010上映作品で是枝裕和監督作品常連の名キャメラマン、山崎裕監督の長編劇映画デビュー作『トルソ』(2009)に決定した。主演は今や日本映画界に欠かせない、独自の存在感を放つ渡辺真起子。顔も手も足もない男性型の人形=トルソをよりどころに生きる姉ヒロコの心が解放される様を自然体で表現している。ヒロコとは正反対の性格で、人の温もりを求め彷徨うように生きる妹ミナを演じるのは安藤サクラ。



 タイや香港などのアジア映画界でも活躍する蒼井そら、実力派俳優の井浦新(ARATA)、石橋蓮司、山口美也子が脇を固める。深い悲しみと不安を抱えながらも"自分たちの人生"を諦めなかった姉妹の姿を、山崎裕のキャメラがその生活する様子と共に、丁寧にすくい取っていく。トリノ国際映画祭、香港国際映画祭、JAPAN CUTS(ニューヨーク)でも上映され、高い評価を受けた、今改めて観直したい、見事な女性映画だ。他にも、今年のオンライン座では、過去に大阪アジアン映画祭で上映された作品を中心に、今こそ世界に知られるべき作品をピックアップする予定だ。

(c)2009“Torso”Film Partners


<山崎裕監督メッセージ>

第17回大阪アジアン映画祭で「トルソ」が「オンライン座・オープニング作品」に選ばれたと聞き大変驚きました。私はカメラマンとして映画に関わってきていましたが、長編の劇映画の監督をしたのはこの1本だけなのです。

「トルソ」は1970年代のなかば、ヨーロッパで女性解放、性解放、ポルノ解禁等の動きが盛んな頃に、思いついた企画です。男と女の関係において、女性の意識の高まりを尊重したい、という思いで考えていましたが、なかなか具体的にはなりませんでした。

2000年代に入り日本の女性も大きく変わり、日本を舞台にしても出来るかもしれないと思い始めた頃に、渡辺真起子、安藤サクラ、というふたりの素晴らしい女優に出会い、一気に具体的なイメージが広がって完成出来た作品です。

私自身が限りなく、愛し、敬う、女性すべてに捧げる作品です。

今回、あらためて多くの方々に見て頂ける機会を頂いたことに大変感謝しています。

 


 シアター上映は、3月10日(木)から3月20日(日)までの11日間開催。上映作品ラインナップ、上映スケジュール等は、2 月中旬より映画祭ウェブサイト上で順次発表予定だ。


 第17回大阪アジアン映画祭 公式サイトはコチラ