秀作アニメ『セロ弾きのゴーシュ』『夜明け告げるルーのうた』も。親子や若者たちが楽しめる作品を1週間日替わり上映!7/30より「夏休みの映画館」、元町映画館、シネ・ヌーヴォをはじめ全国7館で開催


 地域のミニシアターで映画やトークを楽しみ、新しい発見をする夏休みに!関西では元町映画館(神戸)とシネ・ヌーヴォ(大阪・九条)、全国で7館が参加し、小さいお子さまから中・高校生までが楽しめる作品を日替わりで上映する1週間の特別企画「夏休みの映画館」が7月30日(土)より開催される(一部劇場では日程が異なります)。高校生以下は500円で鑑賞ができ、ミニシアターデビューにもぴったりの特別企画だ。



 昨年の第1回目に続き、今年は音楽映画が大充実!また、関西で学生たちが中心になり、ミニシアターを拠点に上映会の主催や映画にまつわる活動を行なっている「映画チア部」が、学生のみなさんに夏、出会ってほしい作品として、現在最新作『犬王』が絶賛公開中の湯浅政明監督によるアヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞作、『夜明け告げるルーのうた』をセレクト。上映後のトークイベントも開催する。映画チア部京都支部の村田陽奈さんは、

「わたしも高校生のときに(映画で)すごく世界が広がっていった感覚があります。中学生から大学生まで、ミニシアターに足を運んでもらい、テレビ、シネコン以外にこんなにたくさんの映画があると、魅力を感じてもらえるように盛り上げていきたい。『夜明け告げるルーのうた』は、音楽を作る喜び、表現していこうとする喜びが感じられる作品。観た方が、何かやりたい!と思うきっかけになれば嬉しいです」

と意気込みや狙いを語った。



 元町映画館、シネ・ヌーヴォでは、土日に高畑勲監督による伝説のアニメーション『セロ弾きのゴーシュ』(上映後にチェロのミニライブ付き)や、サイレント映画より、ジョルジュ・メリエスの代表作『月世界旅行』、バスター・キートンの爆笑アクション・コメディ『荒武者キートン』を大森くみこさんの活弁、天宮遥さん(元町映画館)、鳥飼りょうさん(シネ・ヌーヴォ )のピアノ伴奏付きで上映する。上映後には弁士の大森さんによる、お子さんがご参加いただける活弁ワークショップも開催。観て、体験して、親子で楽しめるプログラムになっている。


 その他のプログラムは、


●能登半島から15歳で単身、沖縄にやってきた坂本菜の花さんが、フリースクール「珊瑚舎スコーレ」に通いながら、沖縄戦のため学校に行けなかった沖縄のお年寄りたちと共に学び、自分の目で沖縄を見つめ、自分のできることを考える姿を捉えたドキュメンタリー映画『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記 』。上映後は西原孝至さん(監督)を聞き手に、平良いずみ監督のオンライントークを開催する。



●1950年代のアメリカ・マンハッタンを舞台に高級百貨店で美しきセレブ主婦と女性店員の運命の出会いが織りなす愛の物語をケイト・ブランシェット(『エリザベス』『ブルージャスミン』)、ルーニー・マーラ(『ドラゴン・タトゥーの女』)のW主演で描く『キャロル』

映画の専門家、 坂本安美さんが 選んだ 「中学生、高校生に見てほしい映画」で、「――ハリウッドの偉大なメロドラマへオマージュを捧げ、二人のすばらしい女優たちの視線と仕草で紡がれていく、胸が引きさかれるようなラブストーリーです」とコメントを寄せている。

上映後には、坂本さんによるミニレクチャー(オンライン)も開催。




●『ラ・ラ・ランド』にも影響を与えたオシャレでキュートなフレンチミュージカル映画の傑作『ロシュフォールの恋人たち』カトリーヌ・ドヌーヴと早逝した姉のフランソワーズ・ドルレアックが主演、年に一度のお祭りで賑わう港町ロシュフォールで新しい恋の予感に胸を踊らせる双子の姉妹ソランジュとデルフィーヌを瑞々しく、息ぴったりに演じている。

上映後には、フランス・オーシュ市のミニシアター「Cine32 」のブランディーヌ・ボーヴィーさんが、映画製作の舞台裏や、撮影方法などを丁寧に解説する動画でフランスの「映画の授業」を体験してほしい。

 


●アジアの宝物と呼ばれたマレーシアのヤスミン・アフマド監督の遺作にして最高傑作の『タレンタイム〜優しい歌』。マレー語・タミル語・英語・広東語・北京語が飛び交う、多民族国家マレーシアらしい音楽映画。高校で行われる音楽コンテスト「タレンタイム」に参加する生徒たちの恋や家庭の事情を描写、宗教、言葉の違いによる葛藤を抱えながら「タレンタイム」の日を迎えるクライマックスは記憶に残ることだろう。

上映後は、2009年に急逝したヤスミン・アフマド監督と生前に日本を舞台にした映画『ワスレナグサ』を撮る企画を進めていた杉野希妃さん(俳優・監督・プロデューサー)を迎え、土田環さん(映画研究者 早稲田大学)とのトーク(オンライン)を開催する。

なお、「タレンタイム」は作品背景を解説する「鑑賞ノート」を来場者に配布するので、ぜひ上映後の作品理解に役立ててほしい。


公式サイトは近日公開予定。

上映時間、作品については、各館の公式サイトをご確認ください。




開催劇場 開催日程:

7月 30 日 (土)〜 8 月 5 日 (金):横浜シネマジャック&ベティ、シネ・ヌーヴォ(大阪)、元町映画館(神戸)、ガーデンズシネマ(鹿児島)

7月 29 日 (金)〜 8 月 4 日 (木):シネマテークたかさき

7月 30 日 (土) 、 31 日(日) :DENKIKAN (熊本)

7月 24 日 (日) 、 8 月 2 日 (火) 4 日 (木 )、 7 日(日) :松本シネマセレクト

共催:コミュニティシネマセンター


元町映画館(神戸)

元町商店街4番街にあるミニシアター。ウェブ予約はなく、当日受付でチケットを購入し、整理番号順に入場するシステム(全席自由席)。混雑時にはTwitterにてチケット販売状況を随時発信している。

JR・阪神電車「元町」駅西口より、南西へ徒歩6分

神戸高速鉄道「花隈」駅東口より南東へ徒歩6分

神戸市営地下鉄海岸線「みなと元町」駅2出口より北へ1分



シネ・ヌーヴォ(大阪・九条)

九条商店街に近い場所にある今年で25年を迎えたミニシアター。

オンラインチケット予約あり。ご鑑賞の7日前の朝10時より販売開始。劇場窓口でも朝10時から19時までお求めいただける。

大阪メトロ中央線九条駅6番出口より徒歩5分

阪神なんば駅九条駅2番出口より徒歩4分



『夜明け告げるルーのうた』©2017 ルー製作委員会

『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』©沖縄テレビ放送

『キャロル』

©NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED

『ロシュフォールの恋人たち』©cine tamaris 1996

『タレンタイム~優しい歌』© Primeworks Studios Sdn Bhd