沖縄映画を一挙7本上映!元町映画館12周年企画 「オキナワンダーランド〜映画で発見する沖縄」、8/20より2週間開催


 2010年8月21日に開館した元町映画館は、この8月に12周年を迎える。恒例となっている周年記念企画、今年は8月20日より2週間、本土復帰50年を迎えた沖縄に焦点を当て、「オキナワンダーランド〜映画で発見する沖縄」と題して、多彩な顔をみせる沖縄とそこで生きる人々の姿を映し出すドキュメンタリーや劇映画を一挙7本上映する。

 上映作品は、 

フィルム現存作では沖縄最古のサイレント映画『執念の毒蛇』(1932)

沖縄出身でハワイ移民の渡口政善が製作・脚本・主演を務め、沖縄とハワイでロケを敢行した怪談映画。戦前の日本映画界で活躍した吉野二郎監督が晩年に手がけた本作を、サウンド版で上映。

高嶺剛監督が復帰直前の沖縄を描いた伝説のファンタジー映画『ウンタマギルー』(1989)

石垣島出身、高嶺剛監督が沖縄の「運玉義留伝説」をモチーフに描く夢物語。前作『パラダイスビュー』の小林薫、戸川純、沖縄ポップカルチャーの第一人者、照屋林助らほぼ同じキャストが出演。ベルリン国際映画祭カリガリ賞をはじめ、国内外で高い評価を得た代表作を35ミリフィルムで上映。

©︎1989 PARCO

与那国島出身の新鋭によるPFFアワード2021グランプリ受賞作『ばちらぬん』(2021)

与那国島出身、東盛あいか監督の京都芸術大学卒業制作作品。与那国島の雄大な風景や島で生きる人々に肉薄するだけでなく、自身も出演者として島を駆け巡る。言葉、女性の手に彫られたハジチなど継承したい島の文化を、幻想的な劇映画パートと交えて描いた意欲作。

東盛あいか監督インタビューはコチラ

西表島で自然に還る暮らしを営む夫婦を詩的に描くドキュメンタリー『島の色 静かな声』(2008)

手つかずの自然が残る西表島でアトリエ「紅露工房」を営む染織作家の石垣昭子さんと、パートナーで三線奏者の石垣金星さんのおだやかな日常や、伝統技術の保存、後継者育成に励む様子を映し出す映像詩。監督は、国内外で活躍する写真家の茂木綾子。

沖縄ブームの先駆けになったオムニバス映画『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』(2022)

1992年に劇場公開されオキナワブームの先陣を切った、沖縄の架空の島を舞台に繰り広げられるオムニバス活劇。その後、『ナビィの恋』が大ヒットする中江裕司監督、沖縄出身の真喜屋力監督、當間早志監督の劇場デビュー作を公開30年記念のデジタルリマスター版で上映。

©︎スコブル工房


終戦翌年に結成の長寿バンドに迫るドキュメンタリー『白百合クラブ 東京へ行く』(2003)

中江裕司監督が、石垣島白保で暮らす日本一の長寿バンド、白百合クラブの日常と、東京でのライブ当日に密着した沖縄版『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。中江監督の紹介で出会ったTHE BOOMの宮沢和史と共演するクライマックスのライブシーンは必見!



イタリア出身クリエイターが与那国島の中学生を捉えた『ヨナグニ〜旅立ちの島〜』(2021)

イタリア出身の映像作家アヌシュ・ハムゼヒアンと写真家ヴィットーリオ・モルタロッティが、与那国言葉の消滅の裏にあるコミュニティの痕跡を3年に渡り撮影。島外に旅立つ前の中学生たちの日常や伝統文化を、外からの目線で見据えたドキュメンタリー。


 また期間中にはトークに登壇する高濱浩子さんが、大神島で感じたことを描いた絵を受付横スペースに展示予定だ。さらに『オキナワンダーランド~映画で発見する沖縄』池谷薫監督に聞く「わたしの沖縄」を8月17日(水)19時より公開直前生配信!日本のみならずアジアで、戦争や弾圧に向き合ってきた人たちの話を聞き、その生き様を映し出してきた池谷監督が、現在取材し、交流を重ねている沖縄や沖縄の人たちについて語る予定だ。



 わたしたちが《沖縄》をどのように捉え、そのイメージを作り出し、まなざしてきたのか。ゲストトークやライブとともに、知らなかった沖縄を発見し、沖縄の人々が連綿とつないできた沖縄アイデンティティーに触れたり、想像する機会にしてほしい。



元町映画館12周年記念企画「オキナワンダーランド〜映画で発見する沖縄」

開催日:2022年8月20日(土)〜9月2日(金)

料金:一般1,500円、シニア・各種サービスデイ1,200円、学生1,000円ほか

企画・主催:元町映画館

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