香港を忘れない!『少年たちの時代革命』『理大囲城』、1/21より元町映画館で2週連続上映
2019年6月、逃亡犯条例の改正案を巡り勃発し、若者たちが大量に逮捕され、暴力や自殺による死者も出た香港の民主化デモと、2020年7月の香港国家安全維持法施行により、デモの自由すら封じ込められてしまった香港の状況は、時が経つにつれメディアでも報じられなくなっているが、元町映画館では、表現の自由が失われる現状に争い、若者たち自身が民主化デモを通して、香港人の自由を諦めない気持ちを映し出した若手映像作家によるフィクション映画『少年たちの時代革命』、全世界で日本が世界初上映となるドキュメンタリー映画『理大囲城』の香港映画2本を1月21日より、2週連続上映する。
『少年たちの時代革命』※1月21日から1週間限定上映
香港民主化デモ下で、未来を悲観した若者たちが自らの死をもって政府に抗議の意を示す自殺が発生した事実を背景に、自殺しようとする少女を救うため、民間捜索隊を結成した若者たちがデモ下の香港を駆け巡る姿を描いた青春群像劇。友達とゲームセンターで遊び、デモにも参加するいまどきの学生だったYYが、親友が香港を離れることを知り、思い詰める姿を映し出す一方、YYをデモで見かけ、彼女を助けようと走り回る民間捜索隊の若者たちそれぞれの事情や、大人たちのデモに対する感情、警官隊との激しい衝突などをリアルに描写。実際のデモ映像を交え、香港で生きることを諦めない若者たちの切なる願いをフィルムに焼き付けた。
名匠フルーツ・チャン(『メイド・イン・ホンコン』)に師事したレックス・レンと、ラム・サムが共同監督を務め、デモ現場で監督自らがスカウトしたキャストも出演。重い題材ながら、混沌の香港を疾走する若者たちの姿がとてもエネルギッシュに映ることだろう。香港で秘密裏に制作され、台湾アカデミー賞を席巻した今注目の香港新世代による必見作。
『理大囲城』(世界初公開)※1月28日から1週間限定上映
2019年の香港民主化デモの中でもスキャンダラスな事件として、今まで数々の香港民主化デモを題材にしたドキュメンタリー映画でも言及されてきた香港理工大学包囲事件。本作はアジア屈指の名門校が警察に封鎖され、要塞と化した緊迫の13日間を、至近距離のカメラで捉え、籠城戦の全てを記録した前代未聞のドキュメンタリーだ。本作を制作したのは、匿名の監督集団「香港ドキュメンタリー映画工作者」。圧倒的な武力を持つ警察により包囲された大学構内には、中高生を含むデモ参加者と学生が取り残され、逃亡犯条例改正反対デモで最多となる、1377名の逮捕者をだした。 完全に封鎖された大学で、記者や救護班すら入る事を許されなかった中、リーダー不在のデモ隊は四面楚歌となっていく。青春映画であると共に、究極の密室劇とも言える本作に、社会の縮図を見る人もいるだろう。
出演者の表情がモザイク処理され、香港での上映を禁止された本作は、2021年台湾国際ドキュメンタリー映画祭でオープニング上映された他、山形国際ドキュメンタリー映画祭では、香港映画として初の最高賞ロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞し、全世界で初の劇場公開へとこぎつけた。未来、伝説と呼ばれるであろう作品だ。
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