美しすぎる背景画の舞台裏も!ミッシェル・オスロ『ディリリとパリの時間旅行』展

 8月24日からYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開されるミッシェル・オスロ監督(『キリクと魔女』)の最新作『ディリリとパリの時間旅行』。フランス映画歳2019 横浜でも上映され、見事エールフランス観客賞を受賞した同作の展覧会「ミッシェル・オスロ『ディリリとパリの時間旅行』展」が関連企画として横浜赤レンガ倉庫1号館で開催された。

ベル・エポック時代のパリをまさに散歩するかのような楽しく、美しい作品。こちらは、映画祭会場に掲示されていたフランス版のポスター。主人公ディリリが、ディリリをパリの街中に導いてくれる誠実な配達人の青年、オレルのカゴに入り、一気に階段を駆け下りるとてもスピーディーなシーン。ポスターの右上端にはサクレ・クール寺院もチラリ。

フォトスポットとなっていた中央には物語の冒頭とクライマックスに登場するエッフェル塔と、こちらも重要なアイテムとなる縄跳び姿のディリリが!

展示の最初はディリリの設定図。ニューカレドニアのカナック族、そしてフランス人との混血というディリリはひとりでパリにやってくるが、船の中でミシェル夫人からフランス語や作法などの教育を受けたという設定だ。

本作は背景がとてもリアルだが、その背景はミッシェル・オスロ監督自らが撮影した今のパリの写真を元に加工を施している。

その背景に平面のキャラクターを配置し、その隙間をカメラが駆け抜けるという撮影方法を明かしている


背景がの前にいる、数多くの市民たち。ディリリがお手柄をあげ、一面を飾っている新聞を手にしている紳士も多い。そして、このオペラ座の正面入り口には・・・

ディリリとオレル、そしてオレルの友達でオペラ座の稀代のオペラ歌手エマ・カルヴェが!

オペラ座の中のこんなに美しい場所のシーンも。それはもうウットリ。でも物語は、ただのパリ散歩をするだけの作品ではない。ディリリたちが目指しているのは、男性支配団という謎の地下集団に誘拐されている少女たちを助けること。名探偵コナンのような、小さいけれど勇気があるディリリたちが、ベル・エポック時代の実在の人物たちに次々と出会い、質問を重ね、真相に近づいていく。


展示では、映画で登場した有名人たちのスケッチも。

特にミッシェル・オスロ監督が共感できるという画家、ロートレック。まだ売れない時代、ムーラン・ルージュでフレンチカンカンを踊る踊り子の絵を書いているシーンや、辛口で有名な憧れの名画家に褒められ、心の底から喜んでいる様子などが描かれ、ディリリとのやりとりも楽しい。

映画では全く気づかなかったけれど、実は登場しているというリュミエール兄弟。

ロダンが彫刻を制作している現場には、カミーユ・クローデルも登場。

アート好きも楽しめること間違いなし。映画の中には現代社会に共通する問題が描かれており、楽しみながらもしっかりと考えさせられる。ぜひ大画面で観ていただきたい作品、その舞台裏を見ることができて、感動ものだった。