沖縄のジョークはハードルが高い?尚玄がオール座間味島ロケの主演映画『ココロ、オドル』を語る

 第14回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門で上映され、沖縄の心地よい風を感じたと大好評を博したオール座間味島ロケのオムニバス・ヒューマンドラマ『ココロ、オドル』が、7月27日(土)より第七藝術劇場で公開中だ。

 中部地方方面は台風が上陸している中、東京から主演の尚玄さんが舞台挨拶のため来場し、「沖縄で作った小さな映画が大阪で上映されて、うれしい」と感謝の言葉を述べた。本作の岸本司監督も沖縄出身で、2007年劇場映画監督デビュー作となった『アコークロー』に呼ばれて以来、尚玄さんは本作で6本の岸本監督作に出演している。

『ココロ、オドル』は、島を訪れた外国人夫婦の話をコミカルに描き、国内外の映画祭で高い評価を受けた2015年の短編映画『こころ、おどる -Kerama Blue-』が基になっており、短編でも主演を務めた尚玄は、

「短編は今回の第1話部分で撮り直し、2、3話では深みを与えたかったので、台本の第1稿から、岸本さんとキャッチボールをしながら作っていました。短編でも演じていたので、自分の中にキャラクターは入っていたし、アドリブも多いです」と岸本監督との共同作業が多かったことを明かした。


 司会の西尾孔志さんから、尚玄さんから見た岸本監督について聞かれると、

「『ココロ、オドル』は岸本さんの優しさが現れている映画。映画づくりに対してはとても熱くて、いつもディスカッションをしています。お互いに譲れないところがあり、言い合う時もありますね」

さらに2週間ほどの撮影ながら、岸本監督が雨男のため、台風まで呼び寄せて大変だったという舞台裏を明かした。

 尚玄さん自身も沖縄本島出身だが、オール座間味島ロケの撮影では、東京はもちろんのこと沖縄本島との雰囲気とも違う座間味島に馴染むため、地元の人と飲みに行くこともあったという。さらに、おばあ役の吉田妙子さんのことを讃え、「おばあがいないと、(映画が)成立しなかった。おばあとは、岸本監督との1本目の作品からずっと一緒なんです」と、おばあが醸し出すゆったりとした雰囲気にも大いに感化された様子。


 さらに笑いにうるさい大阪の観客を前に、尚玄さんは

「今回は沖縄のジョークが多かったですが、大阪の皆さんにはハードルが高かったですか?」と尋ねる一幕も。沖縄の方言を残したいという意図が強かった岸本監督は、言葉が通じなくても雰囲気で通じる第1話の外国人夫婦のように、観客にも極力字幕を入れずに見てもらうようにしたという。尚玄さんによると、映画でも登場するサーターアンダギーを慶良間諸島で「ポンミカス(投げ入れるの意)」と呼ぶのだとか。

 観客からの質問も「沖縄の人は何かにつけて踊るんですか?」と映画から感じた沖縄らしさを指摘するものに。尚玄さんは

「踊るんじゃないですか。沖縄のドキュメンタリー映画『標的の村』で、市民が抵抗活動をしていたとき、突然ある女性が反戦歌を歌い出すシーンがあります。その歌が飛び火してみんなで歌っているのですが、悲しい時、色々な時に、それを体現するため歌うのかもしれません」


 尚玄さんによる舞台挨拶は、28日(日)14:40〜の上映後も開催予定。また、8月3日(土)、4日(日)は仁科貴さんによる上映後の舞台挨拶を開催予定だ。

分かり合えない親子たちが、ぶつかり合い、成長していく姿を、おばあが暖かく見守る。座間味島ならではのゆったりとした時間と美しい自然を体感しながら、見終わって優しい気持ちになれる、この夏一番のフィールグッドムービーを、お見逃しなく!


<作品情報>

『ココロ、オドル』(2018年 日本 96分)

監督:岸本司

出演:尚玄、吉田妙子、仲宗根梨乃、仁科貴、加藤雅也 他

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