ウィーン・ミュージアムの至宝が大阪に集結!「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」8/27より国立国際美術館で開催。


 日本・オーストリア外交樹立150周年記念「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」が、8月27日(火)から12月8日(日)まで、国立国際美術館(大阪・中之島)で開催される。展示は以下の4つの時代に分け、ウィーンの近代美術史を語る上で欠かせない作品やデザイン画、模型らが展示される。また、ウィーンといえば音楽の都で名高いが、モーツァルト、シューベルト、シェーンベルクにまつわる展示もある。現在改修工事中のウィーン・ミュージアムより、一挙300点が来日。日本にいながら、ウィーンの文化的変遷を知ることができる、またとない機会だ。 


 ●女帝マリア・テレジアとその息子、皇帝ヨーゼフ2世が統治し、ウィーンがヨーロッパ文化の中心地となった「啓蒙主義時代のウィーン」

啓蒙専制君主として君臨していたマリア・テレジアとその息子、皇帝ヨーゼフ2世が、まずこの展覧会のオープニングを飾る。フリーメイソンの組織の拠点となったロッジ画には、モーツァルトの姿も見てとれる。また、ヨーゼフ2世によって改革される宮廷都市ウィーンの景観画シリーズも展示されている。



 ●1814年ウィーン会議でヨーロッパが再編され、ウィーンが急激に都市化、政治的抑圧が強い中、私的な領域に目線を向けた「ビーダーマイアー時代のウィーン」

ビーダーマイアー時代の銀器やティーポット。他にもチェアなど、機能的でありながら、デザイン性の高い日用品が多数展示されている。1848年のウィーン革命を描いた作品が見られる一方、富裕層向けの作品やドレス、ボンネットも見られる。音楽の都、ウィーンで同時代に活躍したフランツ・シューベルトの肖像画や、本人が寝るときもすぐに作曲できるようにとかけていたという眼鏡も展示されている。


 ●ウィーンの大動脈となるリンク通りが開通し、歴史主義建築の建物が立ち並んだ「リンク通りとウィーン」 

皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇后エリーザベトの肖像画をはじめ、ブルク劇場やウィーン市立劇場のための習作、ワルツの王と呼ばれたヨハン・シュトラウスの胸像などが展示されている。リンク通り完成後のウィーンのパノラマも圧巻。


●クリムト、シーレら分離派、生活の総合芸術化を目指したウィーン工房など、ハプスブルク家消滅直前の新たな価値観による傑作が続々誕生した「1900年世紀末のウィーン」  

本展覧会一番のボリュームゾーン。エゴン・シーレをはじめ、ウィーン工房のグラフィックやアクセサリー、キャビネットなど、日常を彩る作品も多数展示されている。グスタフ・クリムトの有名な絵画「エミーリエ・フレーゲの肖像」のみ撮影OKなので、ぜひ来場の記念にカメラにおさめてほしい。

そして近代建築の先駆者、オットー・ヴァーグナーの美術アカデミー記念ホール模型や、郵便貯金局のスツールだけでなく、実現に至らなかったウィーン市立皇帝フランツ・ヨーゼフ博物館の設計計画図も展示されている。時間をかけて、たっぷりと鑑賞してほしい。


売店ではカタログをはじめ、トートバックから白ワインやスカーフと、クリムトの有名な絵画「エミーリエ・フレーゲの肖像」に登場するエミーリエ・フレーゲグッズが多数ラインナップ。




■修復期間だから実現した最初で最後の機会。全てが黄金時代につながるという画期的な視点でウィーンの世紀末時代を届けたい。

  国立国際美術館・山梨俊夫館長は、本展覧会のコンセプトについて、「ウィーンは美術の街であると同時に音楽の街であり、特に19世紀、ヨーロッパの政治的動きが激しい時代の拠点になっていました。19世紀の美術を中心にした芸術のありようを体系的に収集しているウィーン・ミュージアムのコレクションをお借りし、幅広くご紹介しています。19世紀最後の頂点に誕生したクリムト、シーレ、ココシュカに焦点をあてつつ、19世紀のウィーンの豊かな文化的文脈とその歴史を、街づくりの過程と共にご紹介します」と語った。 


 ウィーン・ミュージアム副館長ウルズラ・シュトルク氏によると、ウィーンミュージアムはウィーンの歴史、人々、そこで生まれた芸術を扱う美術館で、1887年に設立。1959年にカールスプラツに移り、本館以外にも、シューベルト、ベートーベンなどの音楽家の住居や、プラター博物館など様々な施設を有しており、そのコレクションは150万点に及ぶという。今年2月からウィーン・ミュージアムは修復、拡張のため閉館しており、2023年にリニューアルオープン予定だ。今回の300点に及ぶ展示も、修復期間だから実現した最初で最後の機会になる。 シュトルク氏は「卓越した芸術コレクション、その精髄をこの大阪でお見せでき、とても幸せです。19世紀末の黄金時代が突然成立したのではなく18世紀半ばから色々な萌芽があり、それが花開いたものです。全てが黄金時代につながっているという他の展覧会にはない画期的な視点でウィーンの世紀末時代をお届けできればと思います」と、包括的な視点でウィーン美術史を捉える本展覧会をアピールした。


■イベント情報 

<ウィーン・ミュージアム副館長による記念講演会

「ウィーン・ミュージアムとそのコレクション」>  

 本展覧会の監修を務めるウィーン・ミュージアム副館長ウルズラ・シュトルク氏が、「ウィーン・ミュージアムとそのコレクション」と題して特別講演を開催。展覧会の見どころと合わせて紹介する。 

日時:2019年8月27日(火)14:00〜15:30 

定員:130名(先着順) 

参加費:無料、ただし本展の観覧券(半券可)の提示が必要 *当日13:00から整理券を配布。 


<「日本・オーストリア外交樹立150周年記念 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」 学芸員による見どころ解説>

日時:2019年8月30日(金) 18:00~、9月27日(金) 18:00~、10月19日(土) 14:00~、11月16日(土) 14:00~

講師:福元崇志(国立国際美術館研究員) 

定員:先着130名、当日13:30に開場

参加費:無料(要観覧券)



日本・オーストリア外交樹立150週年記念「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」 

会 期:2019年8月27日(火)〜12月8日(日) 

※月曜日休館(ただし、9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館し、翌日休館) 

会 場:国立国際美術館(大阪市北区中之島4-2-55) 

開館時間:10時〜17時(※入場は閉館の30分前まで)  

※8、9月中の金曜・土曜日は21時まで開館、10~12月中の金曜・土曜日は20時まで開館

 観 覧 料:一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生800円(600円) 

※( )内は前売りと20名以上の団体料金。 ※9月中の日曜・祝日に限り、高校生無料(要証明) 

※中学生以下無料(要証明) ※心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明) 

※本料金で同時開催の「コレクション特集展示 ジャコメッティと II」も鑑賞できる。

【チケットの主な販売場所】 展覧会公式サイト(オンラインチケット)、ローソンチケット(Lコード:54600)、セブンチケット、 チケットぴあ(Pコード:769-613)、イープラスなど。  

※チケットの購入時に手数料がかかる場合あり。 

主 催:国立国際美術館、ウィーン・ミュージアム、読売新聞社、読売テレビ 

後 援:外務省、オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム、ウィーン市、ウィーン市観光局 

特別協賛:キヤノン 

協 賛:花王、大日本印刷、岩谷産業、大阪芸術大学グループ、きんでん、清水建設、大和ハウス工業、非破壊検査 

協 力:ANA、DNPアートコミュニケーションズ、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン、ルフトハンザ カーゴ AG、ダイキン工業現代美術振興財団