『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』2021年映画初めに!ドニー・イェン×谷垣健治監督で伝説のデブゴンがよみがえる!
最近のアクション映画はスタイリッシュなチーム戦や歴史ものなど、バイオレンス描写が強すぎて目を背けそうになったり、スケールが大きすぎたり、何よりも笑えないものが多いのだけど、久々にアクション映画、しかも香港の王道技がたっぷり詰まった軽快なアクション活劇を観て、なんだかうれしくなった。それもそのはず、アクション界の大御所、ドニー様がご降臨!監督には、日本では『るろうに剣心』シリーズのアクション監督で知られ、今や香港だけでなくハリウッドのアクション監督も務める谷垣健治。ウルトラ最強の二人が、サモ・ハン・キンポー主演の伝説的アクションコメディ『燃えよデブゴン』を現代の東京に蘇らせたのだ。さらにドニーとアンディ・ラウとの2大スター競演で香港警察と黒社会を描いた実録サスペンス『追龍』で脚本・監督を務めたウォン・ジンが本作でも製作、脚本を務めている。「太っても、最強。」この言葉を地でいくドニー様演じる新生デブゴンの活躍は痛快、最高!まさに招福の初映画にもってこいだ。
とはいえ、最初からデブゴンなのではない。ドニー演じる熱血すぎる刑事、フクロンは、女優で婚約者のホーイと結婚の写真撮影に行く途中、強盗事件に遭遇し、いつも通り必死になって追跡、犯人逮捕をしたものの、警察署に車を突っ込ませるわ、写真撮影をすっぽかし、ゾーイと口喧嘩の挙句怪我をさせてしまうわで、婚約は解消。お一人さま職場の証拠品保管室に異動させられ、フクロンはもはや食べることだけが楽しみに。気がつけば体重倍増のふっくら体型(デブゴン)になっていたのだから、冒頭からアクションをぶつけながらも悲哀を感じるスタートだ。
そんな現代のデブゴンといえるフクロンは、成功したら現場へ復帰させるかもという条件でルイス・チョン演じる調子のいい上司のファン警視から、強盗事件に巻き込まれ記憶喪失になった重要参考人の日本人を無事日本に送り届けることだった。渋々ながら承知したミッション、搭乗したら元婚約者のゾーイも日本のクライアントからの仕事のため、東京に向かっていたのだった・・・。
フクロンとゾーイがやってきた東京には、竹中直人演じる曲者の刑事や、歌舞伎町界隈で料理屋を営む香港人たちなど、様々な人間模様がコミカルに描かれる。アクション映画に必要なのはめっぽう強い敵役だが、本作では『孤狼の血』などにも出演の丞威が冷徹なヤクザの島倉を演じ、ドニーに負けないキレッキレのアクションで最後までハラハラドキドキ。そして永遠のカンフースター、ブルース・リーへのオマージュも忘れてはいないのだ。
舞台が東京ということで、築地市場をはじめ、こんなところで!と思うようなダイナミックなシーンが登場するのも見どころ。歌舞伎町のようだけど、昔懐かしい香港の風情もあるという見事なセットにも注目したい。エンディングと共にNGシーンならぬメイキングシーンもたくさん登場するので、最後まで楽しんでほしい。人間模様を鮮やかに描きながら、テンポのよい驚愕アクションと、コミカルな動きで笑わせる。チャップマン・トゥにしか見えなかったルイス・チョンの調子のいい上司ぶりや、作品を引っ掻き回す竹中直人の怪演、ヤクザのボス役で登場の大ベテラン渡辺哲の存在感と、香港と日本のキャストが気持ちを一つにして作り上げた新たな『燃えよデブゴン』の世界観。これや、これこれ!と膝を打つこと間違いなし!
<作品情報>
『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』”肥龍過江”(2020年 香港 96分)
監督:谷垣健治
脚本:ウォン ・ジン
製作:ドニー・イェン、 ウォン ・ジン、コニー・ ウォン
出演:ドニー・イェン、テレサ・モウ、ウォン・ジン、ニキ・チョウ、竹中直人、丞威、渡辺哲、バービーほか
配給:ツイン
2021年1月1日(金・元日)よりTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ なんば、TOHOシネマズ 二条、TOHOシネマズ 西宮OSほか全国公開
©2020 MEGA-VISION PROJECT WORKSHOP LIMITED.ALL RIGHTS RESERVED.
0コメント