横浜聡子監督『いとみち』がグランプリ&観客賞の快挙!第16回大阪アジアン映画祭、受賞結果発表


 第16回大阪アジアン映画祭のスクリーン上映が3月14日に閉幕し、クロージング上映前に受賞結果が発表され、横浜聡子監督『いとみち』が見事グランプリと観客賞のW受賞という快挙を達成した。同映画祭で2011年にコンペティション部門を創設以来、日本映画がグランプリを受賞するのは初となる。

 コロナ下での開催のため、昨年に引き続き審査委員が日本人のみとなったが、コンペティション部門審査委員の金原由佳(映画ジャーナリスト)から

「今回全員が日本人審査委員で、日本人監督の作品にグランプリをすんなり渡していいのか議論を重ねました。とはいえデビューから13年、横浜聡子監督が故郷、青森に戻り、深度のある人物像を構成したことを、評価しました。定型のフィクションドラマなのにステレオタイプにならない魅力がこの作品には満ち溢れています。ヒロイン役、駒井蓮さんの独特のビートに心がわき踊りました」

と授賞理由が発表された。




 また、今回は映画祭で芳泉短編賞審査委員も務めた横浜聡子監督から、

「『いとみち』初回上映時に客席にいながら、「この映画は観客にどんな風に伝わるんだろう?」と幾分緊張しておりましたが、その緊張が、「審査委員の方々やお客様に何かしら伝えることができたのかもしれない」という小さな実感と喜びに徐々に変わり、今じわじわと胸に押し寄せております。共に映画を作った俳優、スタッフ、関係者にこの喜びを早く伝えたいです。審査委員の方々とお客様の決断を心の支えに、映画『いとみち』をより多くの方に観てもらうべく、これからも邁進いたします」

と初めての参加となった大阪アジアン映画祭での受賞を喜ぶコメントが寄せられた。


他の受賞結果は以下の通り。


<来るべき才能賞>

チェ・ジニョン(CHOI Jin-young) 韓国/『生まれてよかった』(The Slug)監督


<ABCテレビ賞>

『姉姉妹妹』(Sister Sister) ベトナム/監督:キャシー・ウエン(Kathy UYEN)


<薬師真珠賞>

リー・リンウェイ(Lily LEE/李玲葦) 台湾/『人として生まれる』(Born to be Human /生而為人)


<JAPAN CUTS Award>

『B/B』 日本/監督:中濱宏介(NAKAHAMA Kosuke)


<JAPAN CUTS Award スペシャル・メンション>

『4人のあいだで』(Among Four of Us)日本/監督: 中村真夕(NAKAMURA Mayu)


<芳泉短編賞>

『イニョンのカムコーダー』(In-young's Camcorder) 韓国/監督:オ・ジョンソン(OH Jeong-seon)


<観客賞>

『いとみち』(Ito)日本/監督:横浜聡子 (YOKOHAMA Satoko)