アニメオタクの愛と孤独から浮き彫りになる社会の闇。台湾の話題作『よい子の殺人犯』、4/28新宿K'scinema「台湾巨匠傑作選2021」にて公開!


 2019年に台湾で公開され話題を呼んだ『最乖巧的殺人犯』が『よい子の殺人犯』の邦題で、4月28日より新宿K'scinema「台湾巨匠傑作選2021」にて公開が決定した。


 主演は、デビュー作のドラマ『危險心靈』(2006年)でいきなり台湾のテレビアワード金鐘奨の主演男優賞を受賞、2015年の『紅衣小女孩』で台北電影節で主演男優賞を受賞したホアン・ハー(黄河)。これまでの役とは全く違うアニメオタクを演じ、繊細な青年が追い込まれて爆発する演技が高い評価を得ている。


【ストーリー】
日本のアニメ「ボビッター」に夢中のアナンは、母親と認知症の祖父と暮らしている。彼は社会から「負け組」「ガチヲタ」というレッテルを貼られているが、実は人と争うことが嫌いで善良な心の持ち主。ある日彼の平穏な生活に、突然博打で失敗した叔父が乗り込んで来て、一家は突如緊張感に見舞われる。
そんな中、アナンは「ボビッター」マニアの女の子に恋をする。彼女との甘い夢が実現しようとした矢先、思いも寄らないことが起こりアナンは失意のどん底に。そして、家庭ではとんでもないことが…。


監督は、社会派ミステリー『High Flash〜引火点(原題:引爆點)』のジャン・ジンシェン(莊景燊)。監督の公私ともにベストパートナーであるワン・リーウェン(王莉雯)と期待の新進脚本家廖柏茗(リャオ・ボーミン)による、実話を元にしっかり練られた脚本が、この作品のおもしろさの大きな要因となっている。

このたび解禁された予告編では、心やさしいアニヲタが、貧困で行き詰まる生活の中で出会った女神(ミューズ)、彼女が導いた新しい世界。そして事件は何故起こったのか…様々なキーワードが渦巻く。小さな街の片隅で起きた事件から浮かび上がる社会の闇、貧困と家族など、台湾のもうひとつの顔に肉薄した社会派エンターテイメント作品だ。台湾映画界において、またひとつあらたな方向性を示す本作の日本公開を心待ちにしてほしい。