書籍「元町映画館ものがたり」刊行記念『PASSION』『THE DEPTHS』上映&映画館と街、濱口竜介監督の10年ちょっとを語るトークを開催


 8月21日、元町映画館11周年に同館初となる書籍「元町映画館ものがたり 人、街と歩んだ10年、そして未来へ」の刊行を記念して、毎年年末、神戸ロケの代表作『ハッピーアワー』を上映するなど同館にゆかりのある濱口竜介監督の初期作品『PASSION』『THE DEPTHS』を上映し、映画館と街、濱口竜介監督の10年ちょっとを振り返るトークで深掘りする「元町映画館と映画作家たちの10年ちょっと。 RYUSUKE HAMAGUCHI[2008-2010 Works]」が8月21日より1週間にわたって開催される。


 上映作品の『PASSION』は元町映画館設立が具体化してきた2008年の作品であり、濱口監督の名前が映画界に響き渡った記念碑的作品だ。同作に出演の占部房子、河井青葉、渋川清彦は今春ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した『偶然と想像』に出演。今まさに見直したい濱口監督の原点だ。東京藝術大学大学院映像研究科製作作品。


 元町映画館開館と同じ2010年の作品となる『THE DEPTHS』は東京藝術大学大学院映像研究科と韓国フィルムアカデミーの共同製作作品。『不気味なものの肌に触れる』(2014)でもタッグを組んだ石田法嗣が孤独な男娼、リュウを演じ、キム・ミンジュンが演じる韓国からやってきたカメラマンのペファンと交差しファインダー越しに何かが生まれる瞬間とその結末を描く、まさに最新作『ドライブ・マイ・カー』につながる作品だ。


 


 連日13時20分からの上映後は、連日ゲストを招き、元町映画館の10年と重ね、未来を見据えるトークを約1時間にわたって開催。濱口監督も25日に来館予定だ。

◆8/21(土)〈書籍を作る〉という挑戦

ゲスト:元町映画館社員:江口由美(ライター)、住田明世(会社員)、岸野令子(映画パブリシスト)

◆8/22(日) メディアが見た「元町映画館の10年」

ゲスト:片岡達美さん(神戸新聞)、吉野大地さん(ラジオディレクター)

◆8/23(月) 学生がミニシアターにできること

ゲスト:大矢哲紀さん(映画ライター)、映画チア部

◆8/24(火) 「映画館」はまだまだ面白くなれる

ゲスト:鳥飼りょうさん(サイレント映画楽士)、森本アリさん(旧グッゲンハイム邸管理人)

◆8/25(水) 映画館と映画作家の10年

ゲスト:濱口竜介監督

◆8/26(木) 映画館どうしの繋がりから見る未来

ゲスト:山崎紀子さん(シネ・ヌーヴォ支配人)、吉田由利香さん(京都みなみ会館館長)、松村厚さん(映画宣伝)

◆8/27(金) 神戸の達人と語る、街と映画館の過去・現在・未来

ゲスト:金田明子さん(Cafe Cru.)、高濱浩子さん(画家)


 神戸の街を知り尽くしたゲストや、映画館館主、メディアのみなさん、そして映画館を拠点として活動している映画チア部を交えてのトークに加え、書籍ができるまでも大公開。映画館ならではの刊行イベントをぜひ楽しんでほしい。