コロナ禍の休館でスタッフは何を思った?映画ファンが作ったミニシアターの10年を解き明かす書籍「元町映画館ものがたり」、8/21に刊行!


昨年の8月21日に10周年を迎えた神戸・元町映画館。映画ファンが集まり、自分たちの観たい映画を上映したいと元町商店街の中に、内装も一部手作りで作り上げた映画館は、今や日本で一番イベントが多いと呼ばれるまでに成長し、同館で誕生した学生の映画応援団体、「映画チア部」は、今や大阪、京都にまで広がりを見せている。


コロナ禍で10周年を迎えた同館の、誕生からの10年と10年を迎えて模索し続ける日々を克明に描いた初の書籍「元町映画館ものがたり 人、街と歩んだ10年、そして未来へ」(元町映画館出版プロジエクト刊)が、11周年を迎える2021年8月21日に刊行される。


元町映画館の社員からなる出版プロジェクトでは、開館前から現在にいたるまで映画館運営に携わってきた住田明世さんをはじめ、シネマジカル主宰の江口も参加。映画パブリシストの岸野令子さんがアドバイザーとして参加。映画館スタッフにインタビューを敢行し、それぞれの仕事と同時に、元町映画館に至るまでの人生も解き明かしている。


また2015年の1カ月上映以降、毎年年末に上映している『ハッピーアワー』の濱口竜介監督や、ドキュメンタリー塾、元町プロダクションと映画館を拠点にドキュメンタリー制作の輪を広げている池谷薫監督と林未来支配人との特別対談も収録。

濱口監督には昨年大きなムーヴメントとなったミニシアター・エイド基金の経緯や、『ハッピーアワー』制作が濱口監督に与えた影響、そしてこれからあるべき映画製作についてたっぷり語っている。

また池谷監督は自身がプロデュースし、10月に京阪神公開が決まった髙木佑透監督『僕とオトウト』の製作裏話や、元町プロダクションの意義、そして元町映画館への力強いエールを送っている。5月に2年ぶりでオンライン再開した「池谷薫ドキュメンタリー塾オンライン」や、8月21日、発売日と同日に元町映画館で先行公開する同館初製作・配給作品『まっぱだか』の舞台裏にも迫るなど、11年目に向かう映画館の挑戦を感じていただけることだろう。


開館までの道のりから休館前後4カ月の全記録、そして10年を迎えてこれからどんな映画館となるべきかを考えたトークセッションなど、過去から現在、未来へと街とともに歩む映画館の実直な記録であり、ひたむきさが伝わるノンフィクションとなっている。開館から同館でイラストを担当している朝野ペコさんのカバーイラストも秀逸。ぜひ手にとってご覧いただきたい。


元町映画館店頭、オンラインショップで予約発売中。

8月21日以降は神戸の書店を中心に実店舗でも販売予定だ。

「元町映画館ものがたり」特設サイトはコチラ



<書籍詳細>

「元町映画館ものがたり 人・街と歩んだ10年 そして未来へ」

元町映画館出版プロジェクト 責任編集:江口由美

P304/四六判/ソフトカバー ​​制作:神戸新聞総合出版センター