『20センチュリー・ウーマン』79年カリフォルニア、3人の女性が僕に教えてくれたことは?
『20センチュリー・ウーマン』というタイトルにドキリ。言われてみれば、私もその一員だ。そして、この作品に登場する女性3人も、それぞれが世代を代表するクールな女性で、魅力的な彼女たちに色々なことを教わり、成長する青年の「15歳の夏」は美しい思い出と言わんばかりにまばゆい光が射す。
パイロットになりたかった24年生まれのドロシア(アネット・ベニング)と、彼女が40歳の時に産んだ一人息子のジェイミー。戦前生まれの母とビートルズが誕生したころに生まれた息子は音楽の好みもジャズVSパンクロックと全く違うし、シングルマザーのドロシアにとって、思春期に突入した息子のことは理解しがたいことだらけ。その解決策としてドロシアは、二人の女性にジェイミーの相談相手になってほしいと頼み込む。一人はドロシアの家で間借りしているパンクな写真家、アビー(グレタ・ガーウィグ)。そしてもう一人は近所に住むちょっとおませな幼馴染、ジュリー(エル・ファニング)。3人のバックグラウンドや様々な葛藤がしっかり描かれており、女優たちの新たな魅力が引き出されている。老けた感はあっても、カッコいいシングルマザー演じるアネット・ベニング。空回りキャラクターではない、アーティスト女子を新鮮なビジュアルで熱演するグレタ・ガーウィグ。そして、ジェイミーの密かな恋の相手であり、小悪魔的な魅力もチラリとみせるエル・ファニング。そりゃ、こんな素敵な年上のお姉さんたちに囲まれる夏なんて、そうそうないよね。
『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が、自身の母親をモデルに、思春期真っ只中の息子との家族物語を描いた作品は、母親へ当時は言えなかった気持ちを伝えるラブレターのよう。今、思春期の息子と格闘中の母親たちも、勇気づけられるんじゃないかな。トーキング・ヘッドをはじめとする70年代後半アメリカのパンクロックシーンが詰まったサントラも要チェックです!
0コメント