『おクジラさま ~ふたつの正義の物語~』|佐々木芽生監督(『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』)最新作、9月から全国順次公開!

ちょうど前々作『ハーブ&ドロシー』の取材で佐々木芽生監督にインタビューさせていただいたのは、かれこれ7年前、2010年のことになる。そのころから既に和歌山県太地町に通い始めていた佐々木監督。時はちょうど太地町での追い込み漁を糾弾したアメリカ映画『ザ・コーヴ』がアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞、世界中でその賛否が問われ始め、町が揺れ始めていた頃だった。シーシェパードを中心とした世界中の活動家たちから非難される太地町で佐々木監督が捉えたものとは。

長期間に渡り、クラウドファンディングによる資金集めも同時に行いながら、撮影を続け、そしてついに劇場公開にまでこぎつけた佐々木監督の『おクジラさま ~ふたつの正義の物語~』。分断の時代に、共存の可能性を探るドキュメンタリーは大きな意味を持つんじゃないかな。

佐々木監督からのメッセージにも、その気持ちがこもっている。9月ユーロスペースにて公開が決定、関西をはじめとする大阪はまだもう少しかかりそうだけど、ぜひチェックしてほしいドキュメンタリーだ。

<佐々木芽生監督からのコメント>

なぜ日本は、クジラやイルカのことで世界の非難を浴びるのか︖その答えを探すために何年も太地に通っていたら、今私たちが、世界が抱えている多くの問題にぶちあたりました。そして知れば知るほど、自分がいかに知らないかに悩みました。問題は、捕鯨やイルカ漁に賛成か、反対かではないのです。なぜ動物を巡って私たちは対立し、憎み合うのか。今世界で起きていること、みなさんの人生に起きていること、どうすれば私たちは分かり合えるのか。そのヒントをこの映画から見つけて貰えれば嬉しいです。