小野さやか監督『アヒルの子』、大阪で7年ぶりの再上映決定~最新作『恋とボルバキア』と同時上映

2010年に劇場公開され“家族を壊す”小野さやか監督自身が突き動かしてゆく物語に各所で衝撃を与えたドキュメンタリー映画『アヒルの子』。小野監督の第2作『恋とボルバキア』公開記念として、大阪の第七藝術劇場で7年ぶりに再上映されます。家族のかたちを問い直す強い衝動を持った本作は公開当時、同じような悩みや苦しみを持ったたくさんの人に響き、リピーターが続出。その衝撃的な内容によりソフト化できない『アヒルの子』、劇場でしか見られない本作を、是非お見逃しなく!


【ストーリー】

家族を離れ、東京で一人暮らしをしながら専門学校に通う小野さやかは、自らの内面に巣食う生きがたさに悶え苦しんでいた。自分は価値がない、誰にも愛されていない、必要とされていない、生きる意味がない・・・。

その原因は、彼女が5歳のときに家族の下を離れ、ヤマギシ会の幼年部に1年間預けられたことから端を発する。その1年間を彼女は家族から「捨てられた」と思い、2度と捨てられないために[いい子]を演じてきた。しかし、彼女は[いい子]であり続けてきたことが自分自身を苦しめていることを発見し、自らを解放するため自分の内面を縛り付けている「家族」一人一人と対峙する決意をする。怒り、憎しみ、悲しさ、寂しさー。全ての感情を家族にぶつけた彼女が行き着く先とは・・・


昨年末『恋とボルバキア』の取材で久々にお会いした小野監督。といっても、前回お会いしたのは取材ではなく、上映後の舞台挨拶だった。落ち着いた雰囲気になった小野監督は、笑いながら、「『アヒルの子』の影響で、しばらくは職場でもヤバい子のように思われていた」と語り、セルフドキュメンタリーがその後の彼女に与えた影響も語ってくれた。家族もなかなか映画監督として認めてくれなかったそうだが、『恋とボルバキア』は全面的に応援してくれているという。映画を撮る時も、映画を撮った後も、自らの身を削るような思いをし、それでも可愛い我が子のような作品である『アヒルの子』。DVD化の予定はないそうなので、正に劇場でしか観ることができない作品。原一男監督に叩き込まれたドキュメンタリー魂を、ぜひ体感して!

※第七藝術劇場で、最新作『恋とボルバキア』上映中。お得な『相互割引』もあり。

※2/3(土)『アヒルの子』18:10の回上映後、小野さやか監督 舞台挨拶予定