オープニング作品はケニヤ映画『RAFIKI:ラフィキ(仮題)』。関西クィア映画祭2019、9/21〜23大阪 10/18〜20京都で開催
「性にあたりまえなんてないよ」
今年で13回を迎える、関西発、性がテーマの映画祭「第13回関西クィア映画祭2019」が、大阪会場は9月21日(土)から9月23日(月祝)まで豊中男女共同参画センターすてっぷ、京都会場は10月18日(金)から10月20日(日)まで京都大学西部講堂にて開催される。
■ジュールズ・ロスカム監督特集〜あるトランス男性10年の軌跡
男女という制度にとらわれず、身の周りにある差別と権力の構造に向き合う国内外の厳選された作品を上映し続けてきた関西クィア映画祭。今年は、10年間に渡り、同映画祭でも取り上げ続けてきたジュールズ・ロスカム監督特集が開催される。「あるトランス男性10年の軌跡」と題して、『トランスペアレント』(61分/2005年)、『フィッツジェラルド、ここに眠る』 (25分/2007年)、『トランス物語に抗して』 (61分/2009年) 、『クィアな仲間の作り方』(85分/2012年) 、『パパのやり方』(82分/2018年) 、『思いっきり泣くこと』(13分/2018年)、『Dance, Dance, Evolution』 (18分/2019年)の長編短編を合わせた全7本を上映。大阪会場では作品の感想を語り合う「シネマカフェ」を開催予定だ。
また、京都会場ではジュールズ・ロスカム監督が来場予定。10/19(土) 17:40から西部講堂にて「ジュールズ・ロスカム監督 記念講演」(最新短編『Dance, Dance, Evolution』上映と記念講演)が行われる。半券の提示で、自由に参加できるので、ぜひ足を運んでほしい。
さらに、10/20(日) 18:05から西部講堂にてクロージング企画を開催。『フィッツジェラルド、ここに眠る』、『トランス物語に抗して』上映後、ジュールズ・ロスカム監督、遠藤まめたさん、吉野 靫さん、関西クィア映画祭代表のひびのまことさんでによる「これまでの10年、その先へ」と題したトークが行われる。
今回、ジュールズ・ロスカム監督特集を企画した狙いについて、ひ代表のひびのまことさんは「特集解題 ジュールズ・ロスカム監督作品と関西クィア映画祭の10年」の中で、
テーマの変遷をまとめて追うことで、一人のトランス男性の映画監督を「トランス男性」のラベルと檻に閉じこめないで、自身の人生に挑戦し続ける一人のクィアの生き方として提示することが出来るのではないか。
と明かしている。フィルモグラフィーを紐解き、ジュールズ・ロスカム監督にこれまでとその先を語ってもらうことにより、映画とその作り手の人生からクィアの人の生き様を体感できる、とても貴重な機会だ。
■オープニング作品はケニヤ映画『RAFIKI:ラフィキ(仮題)』。『ビリーとエマ』『女は女である』も上映!
大阪会場のオープニング作品、京都会場のオールナイト作品に選ばれたのは、なかなか見る機会がないケニヤ映画より、本国で上映禁止になりながらも、カンヌ映画祭に出品された初の長編ケニヤ作品として注目を浴びた青春ラブストーリー『RAFIKI:ラフィキ(仮題)』
大阪アジアン映画祭でも「爽やかすぎる!」「とってもキュートで様々な女性の問題がぎゅっと詰まっている」と大絶賛のフィリピン、サマンサ・リー監督(『たぶん明日』“BAKA BUKAS”)最新作『ビリーとエマ』もラインナップ。主人公ビリーはSNSを通じてクィアのザール・ドナトさんをキャスティング。演技初心者ながらも、クールなビリーを好演している。ビリーが愛読している、約40年前に書かれたレズビアンの古典「Rubyfruit Jungle」は、サマンサ・リー監督もよく読んでいたそう。本からの一節「自分らしく生きることは最大の革命」“The most revolutionary thing you can do is to be yourself”が、この映画のテーマを表している。
香港でトランスジェンダーがトランスジェンダー役をするのは初めてだったという香港映画『女は女である』。妻として母として子どもを育てるジーユー。「普段着での登校日」に女子の制服で登校するリンフォン。世代の異なる2人のトランス女性の物語は、大阪アジアン映画祭でも大いに話題を呼んだ。大阪学生Queer映画祭2019、あいち国際女性映画祭2019でも上映の話題作が、関西クィア映画祭では京都会場で上映される。トランスジェンダー高校生役のトモ・ケリーさんをはじめ、プロデューサーもトランスジェンダーで、ほぼ女性スタッフにより制作された作品。上映後には、ひびのまことさんによる問題提起も行われる予定だ。
他にも、ベネズエラ・コロンビア合作の『私との邂逅(めぐりあい)』、伝統的な踊りに惹きつけられるメキシコ映画『チェンタ』を日本初上映。
表現豊かで感情溢れる手話という言語を、そしてろう文化を知りたい、知らせたい。ろう者の喜び、葛藤をともに感じながら作られた、レティシア監督から今は亡き親友ヴァンサンへの想いを綴ったフランス発のドキュメンタリー映画『ヴァンサンへの手紙』。昨年のメイン特集「ろう×セクマイ映画があつい!」に通じる秀作だ。上映後には、Deaf LGBTQ Centerの山本芙由美さんによるゲストトークを開催予定。
他にも、「関連特集 日本のトランス男性と映画」や、今年初となる来場者による投票で「最優秀観客賞」を決定する国内作品コンペティション、西部講堂で行われるお得なオールナイト上映など、見所十分だ。
チケットは、8月9日(金)より前期分、9月24日(火)より後期分を発売。Peatixおよび公式サイト掲載店舗で、前売券を購入できる。
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