アジアの秀作『巡礼の約束』『タレンタイム〜優しい歌』、「仮設の映画館」で5/2より配信決定!
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言下で全国の映画館が臨時休館する中、オンラインで好きな劇場を選び、これから公開される新作や、現在公開中だった作品を鑑賞できる「仮設の映画館」が4月25日からスタートしている。その「仮設の映画館」で5月2日より、『草原の河』のソンタルジャ監督最新作、『巡礼の約束』と、マレーシアを代表するヤスミン・アフマド監督の遺作長編であり根強い人気を誇る青春映画『タレンタイム〜優しい歌』の公開が決定した。
『巡礼の約束』は、チベットの雄大な風景の中、病身ながら、前夫との約束を果たすため聖地ラサへの巡礼に出かける妻ウォマと、妻を心配して車で追いかける夫ロルジュ、そして母に会いにやってきた前夫との息子、ノルウが織りなす物語。全身を使いながら少しずつ歩みを進めていく五体投地の尊さと過酷さを目の当たりにすると共に、旅の後半では、母を亡くした仔ロバとの出会いや、ロルジュとまだ幼いノルウのぎこちない関係が変化していく様子を切々と映し出す。大事な人を思う祈りの気持ちを胸に、一緒に巡礼の旅をしたような気分になれるヒューマンドラマだ。
仮設の映画館『巡礼の約束』はコチラ ↓↓↓
『タレンタイム ~優しい歌』はヤスミン・アフマド監督の2009年の作品だが、日本で全国公開されたのは2017年だった。日本でマレーシア映画を配給するケースがほとんどなかった当時、ヤスミン・アフマド監督の作品に注目し続け、満を持して全国公開をした映画会社ムヴィオラは、昨年ヤスミン・アフマド監督の初期代表作『細い目』も配給。さらに生前に残した全長編と特別作品を上映する「マレーシア映画、伝説の監督ヤスミン・アフマド 没後10周年記念特集上映」を東京、大阪で開催した。
今回の選定にあたっては「『タレンタイム ~優しい歌』の全国初公開は2017年ですが、素材等の事情でこれまでDVD化も配信もせず、公開後も年に何館かの映画館で上映を続けてきました。新作ではないので仮設の映画館としては「特別枠」ですが、今年予定した上映が中止・延期となったこと、何よりいま困難に直面しているミニシアターの応援にふさわしい映画なので選びました」とコメントを寄せている。マレー語・タミル語・英語・広東語・北京語が飛び交う、多民族国家マレーシアらしい青春音楽映画は、今一度、他者の立場に思いを馳せること、そして映画の力を存分に味あわせてくれるだろう。
仮設の映画館『タレンタイム ~優しい歌』はコチラ ↓↓↓
最後に、『巡礼の約束』と『タレンタイム ~優しい歌』の2作品で「仮設の映画館」に参加したムヴィオラのメッセージをご紹介したい。
映画会社 ムヴィオラよりメッセージ:
「本物」の映画館に行ける日まで、「仮設の映画館」へお立ち寄りください。
新型コロナウィルスは映画の風景を大きく変えました。全国の映画館が休館を余儀なくされ、たとえ再開しても、以前のように多くの観客が肩を並べ安心して映画を見るには、まだまだ時間がかかるでしょう。この状況が長く続けば、映画館も配給会社も製作者も閉館や廃業ということになりかねないのです。では、どのようにこの難局を乗り越えれば?そんな時に、想田和弘監督と配給会社・東風さんが「仮設の映画館」という新しい取り組みを始めるというニュースを読みました。インターネット上の「仮設の映画館」で、その鑑賞料金を「本物の映画館」の興行収入と同じく、それぞれの劇場と配給会社に分配するというアイデアが素晴らしいと思い、弊社はチベットのソンタルジャ監督の『巡礼の約束』とマレーシアのヤスミン・アフマド監督の『タレンタイム ~優しい歌』で参加することにしました。
「仮設の映画館」はデジタル配信です。
いまや大手の格安見放題配信パックが世にあふれる中、配信で1800円という鑑賞料金を高いと感じる人もいるかもしれません。ですが、この難局を乗り越えるために、映画とミニシアター映画館と独立系配給会社への観客の応援の力をお借りしたいのです。
映画を「等身大より大きく見えるスクリーン」で見る喜び。1日も早く、その喜びを取り戻したいと思いますが、まずは「今」を乗り越えなければ、将来的にその映画の喜びが消えてしまうかもしれません。みなさん、今はぜひ「仮設の映画館」で映画をご覧ください。そして本物の映画館へ行けるようになったら、ぜひ映画館のスクリーンで以前よりもっと映画を楽しんでください。応援よろしくお願いします。
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