『現在地はいづくなりや 映画監督 東陽一』公開記念、東 陽一監督特集、シネ・ヌーヴォ(九条)で開催
常に立脚する現在地点を映画の数々で探り続けている東陽一監督。長編デビュー作となったドキュメンタリー映画『沖縄列島』から、観客動員数200万人を超える大ヒットを記録した『橋のない川』、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、その名を世界に知らしめた『絵の中のぼくの村』、そして最新作の『誰かの木琴』までを網羅し、初めて映画の制作過程や自身についてをカメラの前で語るインタビューや対談、フィルモグラフィーを通して東監督作品、しいては日本映画史を紐解いていくドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』(小玉憲一監督)が、9月12日(土)より10月2日(金)までシネ・ヌーヴォ(大阪・九条)にて公開される。
同作の公開を記念して、9月12日(土)より1週間に渡り、東 陽一監督特集を開催する。上映作品は、初監督作の『やさしいにっぽん人』(70)、2013年に復元したデジタルリマスター版で上映する『マノン』(81)、82歳にして描いた問題作『だれかの木琴』(16)の3本。
●『やさしいにっぽん人』復帰前の沖縄と本土を見つめ、資金の当てもなく挑んだ東陽一初監督作品
(1970年 出演:河原崎長一郎、緑魔子、伊丹十三)
沖縄の問題から日本人の意識構造を見つめた初の劇映画。 昭和20年、沖縄戦での集団自決を生きのびた赤ん坊であり、今は何もそのことを記憶していないという暗示的な運命を持つ「シャカ」と呼ばれる青年と、その恋人や友人たちの、真の「ことば」を求めての魂の遍歴の記録。シャカの河原崎長一郎、恋人ユメの緑魔子が素晴らしい。自主映画で異例のヒットを記録し、日本映画監督協会新人賞に輝いた傑作。(C)東プロダクション1970
●『マノン』「エロス」を見つめ、女性映画を描き続けた東陽一の頂点ともいえる傑作
(1981年 出演:烏丸せつこ、津川雅彦、佐藤浩市)
オペラ「マノン」を原案に、自由奔放に生きる劇団研究生のヒロインみつこと、彼女に翻弄される三人の男たちを描く。“女性の自立”をテーマに数々の作品を作り続けた東陽一の最高傑作とも噂され、2013年に復元したデジタルリマスター版での上映。みつこに鳥丸せつこ、そのやくざな兄に映画初出演のビートたけし。恋人に津川雅彦、当時21歳の佐藤浩市、そして歌手の荒木一郎と異色の配役陣も話題となった。(C)montage 2013
●『だれかの木琴』愛と性と風俗を見つめ、人間を描き続けた東陽一のひとつの到達点
(2016年 出演:常盤貴子、池松壮亮、佐津川愛美)
直木賞作家・井上荒野の原作を映画化したサスペンス・ドラマ。たまたま出会った美容師の青年に危険な妄執を抱いて常軌を逸していく孤独な専業主婦の心の奥底をスリリングに描き出していく。「エロス」が生涯のテーマだと語る東陽一が82歳にして描いた問題作。「エロス」を放つ常盤貴子と池松壮亮の名演が光る。映像と音楽の見事な構成が光る東監督の到達点とも言える傑作。(C) 2016『だれかの木琴』製作委員会
尚、9月12日(土)12:25『現在地はいづくなりや』上映後、小玉憲一監督、 東陽一監督
(ビデオメッセージ)のトークショーも開催予定だ。
チケットは、シネ・ヌーヴォ公式サイトにて鑑賞日の3日前よりオンライン販売される。(補助席は劇場窓口のみ)。
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