劇場支配人の注目作を一挙上映!『次世代映画ショーケース2019』シネ・ヌーヴォ、元町映画館、出町座3館で2月開催
京阪神のミニシアターが、これからの映画を担う若手の作り手や作品を応援するべく、「映画館で観たい」と思える最新のインディペンデント映画をセレクトして上映を行う『次世代映画ショーケース』。今回、シネ・ヌーヴォ、元町映画館、出町座3館の支配人らがセレクトした作品を上映、各地域の文化人をトークゲストに招き、インディペンデント映画の同時代性を発見する機会をつくる『次世代映画ショーケース2019』がシネ・ヌーヴォは2月9日(土)~15日(金)、元町映画館は2月16日(土)~22日(金)、出町座は2月23日(土)~3月1日(金)とリレー開催される。
ちょうど1年前(2018年1月)、京都文化博物館映像ホールで、立命館大学映像学部、NPO法人独立映画鍋、京都府京都文化博物館、関西次世代映画ショーケース実行委員会主催イベント「地域から次世代映画を考える」が行われた。第1部「映画はどこでもつくれる!か?~地方で映画を作るわけ~」で監督たちのシンポジウムが行われたのに続き、第2部では京阪神のミニシアター支配人のみなさんが登壇。ミニシアターの存在意義やインディペンデント映画上映の現状を省みると同時に、京阪神のミニシアターからインディペンデント映画を育てるためのプロジェクトとして発表されたのが、この「次世代映画ショーケース」だった。
映画はビジネスでもあるが、文化でもあるという自負のもと、プロジェクトを始動するにあたっての経緯や狙いを元町映画館林支配人は「劇場が素晴らしい作品だと思って上映するインディペンデント映画も、お客様が入らず、興業が成り立たないのが現状。制作者が作品を認知してもらう努力はもちろん必要だが、それだけでなく今はお客様に作品がたどり着くまでの道のりが狭すぎるのではないかと考えた。優れたインディペンデント映画を劇場から積極的に紹介するため、“インディペンデント映画”は多義的なので、“次世代映画”という印付けをし、継続することでお客様と作品を育てていきたい」と説明。以降、「次世代映画ショーケース」では京阪神ミニシアターが劇場からオススメしたい映画を選定し、各劇場で上映してきたのだ。
そして、年に1度の映画祭として第1回となる『次世代映画ショーケース2019』がいよいよ開催される。
上映作品は、昨年劇場公開されたダミアン・マニヴェル監督、五十嵐耕平監督『泳ぎすぎた夜』(全館)、二ノ宮隆太郎監督『枝葉のこと』(元町、出町座)、我妻和樹監督『願いと揺らぎ』をはじめ、小田香監督の舞台挨拶が予定されている『鉱 ARAGANE』(ヌーヴォ、元町)、いよいよ東京公開が決まった佐藤零郎監督『月夜釜合戦』(ヌーヴォ)、第29回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門作品賞受賞の渡辺紘文監督『プールサイドマン』(全館) など。他の注目作をご紹介したい。
第10回シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)の助成作品として、第9回大阪アジアン映画祭でワールドプレミア上映された京阪神ロケの長編デビュー作品『螺旋銀河』。演劇的技法を取り入れ、二人のヒロインが並んでカメラに向かい、朗読するシーンは記憶に残っている。最新作『王国(あるいはその家について)』でも、俳優が役を獲得する過程を捉えながら、ストーリーを展開させる。場面写真も前作同様に、二人のヒロインが並んでカメラに向かっている。さて、今回はどんな展開が訪れるのか。ゲストトークあり。
ベルリン国際映画祭フォーラム2017ワールドプレミア作品、なら国際映画祭2018正式出品作の『ザ カオティックライフ オブ ナダ・カディッチ』は、発達障害の幼い娘を持つシングルマザーのヒューマンドラマ。ドキュメンタリーにも見えそうな力強いタッチで母娘の物語を描いたのは、小田香監督と同じタルベーラの映画学校で学んだメキシコのマルタ・エルナイス・ピダル監督。小田香監督とのスカイプトークでは、作品のモデルとなる人物との出会いや、音作り秘話まで、1時間に渡って観客とのQ&Aを繰り広げた。その様子はぜひ以下からご覧いただきたい。
iPhoneで撮りためた「日常」を毎月数分にパッケージし、boidマガジンに連載した「無言日記」を劇場公開用ヴァージョンにまとめた『無言日記2014』。併映は三宅唱が中学3年生の時に撮った初短編『1999』。京都出町座のみの上映をお見逃しなく!
昨年8月に関西初上映された新鋭清原惟監督の『わたしたちの家』がいよいよシネ・ヌーヴォ、元町映画館で大阪、神戸初公開!築90年の家で撮影されたという本作は、ミステリアスな家で二つの物語が並行するという独創的な物語。家同様、時代物の小物たちや洋服などが独特の味わいを残す。間取りに思わず注目してしまう作品。ゲストトークあり。
元町映画館だけの上映となる『Noise』は、2008年秋葉原殺傷事件をモチーフに、事件で母親を殺された地下アイドル、父との関係に悩み、家出をして秋葉原で生きることを決めた女子高生、母親に裏切られ、苛立ちを秋葉原の街にぶつける配達員の青年とさまざまな人間の葛藤と孤独を描く野心作。
堀禎一監督の遺作となった『夏の娘たち ひめごと』 。秘めた男女の愛を描く本作、主演は『へばの』の西山真来。他にも堀禎一監督作『天竜区奥領家大沢 別所製茶工場』を上映。さらに、小森はるか監督『波のした、土のうえ』と出町座でしか見られない3本だ。
料金は、一般1500円、学生1000円、シニア1100円
上映作品紹介、スケジュールはコチラ ↓
0コメント