映画の多様性を紹介する独立系配給会社を支援しよう!「Help! The 映画配給会社プロジェクト」オンライン第一弾配信がスタート
新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が5月14日、39県で解除され、該当する県では15日から映画館も営業を再開している。ただ、座席数の半減や、営業時間の短縮、さらには観客の映画館離れ、に加え新型コロナ第二波の到来など、映画館、特に経営基盤が脆弱なミニシアターはまだまだ懸念すべき内容が山積みだ。そんな中、ミニシアター・エイド基金や、関西ミニシアターが結束したSave our local Cinemaプロジェクト、そしてミニシアターへの緊急支援を要望する#SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクトと、映画を観客に届ける場所を死守するべく、映画人や、映画ファンが一体となった活動が多様に展開され、大反響を呼んでいる。
そんな中、ミニシアターで上映される作品を配給している独立系配給会社20社(5月11日現在)が、この度「Help! The 映画配給会社プロジェクト」を立ち上げた。映画館が臨時休館となり、再開後も今後もしばらく観客動員については厳しい状況が予想される中、映画館同様、独立系配給会社も非常に厳しい状況にある。そこで「Help! The 映画配給会社プロジェクト」では、アップリンク・クラウドで、各配給会社が自社の過去作品をパックにして配信する「配給会社別 見放題配信パック」を開始、5月13日にその第1弾配信がスタートした。
このプロジェクトをスタートするにあたり、アピチャッポン・ウィーラセタクン(『世紀の光』『光りの墓』監督/タイ)、アルノー・デプレシャン(『あの頃エッフェル塔の下で』監督/フランス)、シャリファ・アマニ(『細い目』主演/マレーシア)、瀬々敬久『ヘヴンズ ストーリー』『菊とギロチン』監督/日本)、ソンタルジャ(『草原の河』『巡礼の約束』監督/中国(チベット文化圏) )、ブリランテ・メンドーサ (『ローサは密告された』監督/フィリピン)、フルーツ・チャン(『メイド・イン・ホンコン』『三人の夫』監督/香港)、マチュー・アマルリック『バルバラ〜セーヌの黒いバラ』監督『あの頃エッフェル塔の下で』俳優/フランス)、ワン・ビン(『鉄西区』『死霊魂』監督/中国/フランス)など、今回のプロジェクトに参加している配給会社が日本に紹介してきた作品や、日本で制作した作品の監督、出演者、映画関係者、20地域、38名が応援動画メッセージを寄せている。
第一弾で配信されるのは、上記応援メッセージを寄せてくれた監督作も含め、これまで未配信だった貴重な作品など見逃せない全 90 作。配給会社ごとのカラーもよく分かり、「この作品は、この配給会社が紹介してくれていたのか!」という発見もあるはずだ。ぜひ、この機会にステイホームで配給会社が自信をもってお届けする名作の数々を楽しんでほしい。
ヨーロッパの名作をはじめ、ホン・サンスや近年は特にアジア若手作家の作品も手がけているクレストインターナショナルからは、第66回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作のミア・ハンセン=ラブ監督Xイザベル・ユペールでおくる『未来よ こんにちは』や、英国中年男性ふたりが主人公の軽妙洒脱なコメディ『イタリアは呼んでいる』他がラインナップ。
ジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダの特集上映をはじめ、ヌーヴェルヴァーグの傑作群やベルイマン傑作選、ジョージア(グルジア)映画界の巨匠、テンギズ・アブラゼ監督「祈り」三部作上映などが記憶に新しいザジフィルムズからは、昨年12月に79歳で亡くなったアンナ・カリーナの代表作『女は女である』 、ヴィスコンティの絢爛たる世界がデジタル完全修復版で蘇った『家族の肖像』他がラインナップ
ヨーロッパ映画を中心に、フランスの古典の名作も積極的に紹介してきた背寺・インターナショナルからは、ウィーンで活躍した作曲家グスタフ・マーラー妻アルマとの愛と苦悩を描いた『マーラー 君に捧げるアダージョ』、アルノー・デフレシャン監督が『そして僕は恋をする』から20年ぶりに描く愛と青春の物語『あの頃エッフェル塔の下で』などがラインナップ。
世界の秀作、若手作家の作品を幅広く紹介、多彩なドキュメンタリーの作品群にも定評のあるミモザフィルムズからは、イザベル・ユペールを迎え、パリ郊外の古い団地を舞台にした群像劇『アスファルト』、構想から21年の歳月を費やして製作されたカトリック教会の中でも厳しい戒律で知られる男子修道院の日常をつぶさに描いたドキュメンタリー映画『大いなる沈黙へ-グランド・シャルトルーズ修道院-』などがラインナップ
インディペンデント精神溢れる作品、特にアジアの作家をいち早く紹介し、昨年はヤスミン・アフマド没後10周年記念特集上映および、初期代表作『細い目』の配給も記憶に新しいムヴィオラより、タイを代表する映画作家、アピチャートポン・ウィーラセータクンの『光の墓』、8時間26分に及ぶ渾身のドキュメンタリー映画『死霊魂』が8月1日に公開予定のワン・ビン監督初期代表作『鉄西区』などがラインナップ
参加会社一覧(アイウエオ順)5/11現在20社: [配信メンバー]13社
彩プロ
アンプラグド
エスパース・サロウ
オンリー・ハーツ
クレストインターナショナル
ザジフィルムズ
サンリス
シンカ
セテラ・インターナショナル
ハーク
マジックアワー
ミモザフィルムズ
ムヴィオラ
[賛助メンバー]7社
キノローグ
サニーフィルム
チャイルド・フィルム
ドマ
ノンデライコ
パンドラ
ユナイテッドピープル
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