レズビアンに希望のある「別れ話」をきちんと作りたかった 『サラバ、さらんへ、サラバ』洪先恵(ホン・ソネ)監督インタビュー 『朝が来る』、 『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』の蒔田彩珠と新鋭の碧木愛莉が高校生カップルを演じる映画『サラバ、さらんへ、サラバ』が、9月26日(金)より、東京の新宿バルト9、横浜ブルク13、T・ジョイ梅田、T・ジョイ博多ほか全国ロードショーされる。(短編での単独公開につき、通常鑑賞料金1000円) 茨城の田舎町に住む16歳の女子高生カップル、仁美(蒔田彩珠)と菜穂(碧木愛莉)。仁美はアイドルになることを夢見る菜穂を献身的に支えていたが、菜穂から「K-POPアイドルになるため韓国に行く」と告げられてしまう。突然訪れた別れをテーマに、ステレオタイプな悲劇に陥らない、新しい形のふたりのサヨナラを描いたのは、自身の脚本によるオリジナルストーリーで監督デビューした韓国出身の洪先恵(ホン・ソネ)さんだ。第20回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門作品として日本初上映され、上映後の舞台挨拶に登壇した洪監督にお話を伺った。2025.07.08 02:26
「自分に起きたことを理解してくれる人のいることが、どれだけ大切かを教えられました」 『黒川の女たち』松原文枝監督インタビュー 太平洋戦争末期の満州で開拓団が生き延びるためにソ連軍への性接待を強いられ、帰国後も誹謗中傷を受け、長年その事実を伏せられてきた黒川開拓団の女性たち。彼女たちが手を携えて声を上げ、尊厳を取り戻すまでを記録した松原文枝監督(『ハマのドン』)の最新作『黒川の女たち』が、7月12日(土)よりなんばパークスシネマ、MOVIX八尾、MOVIXあまがさき、MOVIX京都、7月18日(金)より京都シネマ、7月19日(土)より第七藝術劇場、元町映画館にて公開される。本作の松原文枝監督にお話を伺った。2025.06.26 13:19
「辰巳さんの料理の背景には、すごくスケールの大きい哲学的な思想がある」 『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”』 河邑厚徳監督、矢内真由美プロデューサーインタビュー NHK「きょうの料理」を担当してきた矢内真由美プロデューサーが、食材の向こう側の生産者や、自然にも思いを寄せられている姿勢や、伝える言葉の美しさが魅力的な料理研究家・辰巳芳子の料理哲学を描いたドキュメンタリーを作りたいと河邑厚徳監督にオファーして完成したドキュメンタリー『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”』。辰巳芳子の100歳記念上映として、5月30日(金)よりアップリンク京都で1週間限定上映される。本作の河邑厚徳監督、矢内真由美プロデューサーにお話を伺った。2025.05.27 01:38
「好きなことを大人になってからではなく、なぜ今やらないのか?」 『レイニー ブルー』で長編監督デビューを果たした柳明日菜さんインタビュー @OAFF2025 第20回大阪アジアン映画祭(以下OAFF)インディ・フォーラム部門作品として世界初上映された柳明日菜の監督デビュー作『レイニー ブルー』が、7月4日(金)より熊本Denkikanで先行上映、7月18日(金)よりアップリンク吉祥寺で公開される。 笠智衆生誕の地、熊本県玉名市を舞台に、笠智衆をこよなくリスペクトする映画愛の強い17歳の高校生蒼が、映画を作ろうと脚本を執筆しはじめるが…。思春期の葛藤や周りとの距離感、自身の中で湧き上がるマグマのような感情がストレートに伝わってくる純度の高い青春映画だ。 監督・脚本・出演の柳明日菜さんと濵島玲恵プロデューサーにお話を伺った。2025.05.22 01:03
コロナ時代の大学生活、自分の居場所のなさから着想を得て 『よそ者の会』西崎羽美監督インタビュー 現役大学院生の西崎羽美監督が、大学4年生の時に生み出し、第18回田辺・弁慶映画祭にてキネマイスター賞を受賞した『よそ者の会』が、2025年5月23日(金)より1週間、テアトル東京、6月24日(火)テアトル梅田にて公開される。 第20回大阪アジアン映画祭(OAFF2025)ではインディ・フォーラム部門に正式出品された本作。主演はOAFF2022『ボクらのホームパーティー』監督の川野邉修一。共演の坂本彩音、比嘉光太郎と、監督と同じ映画美学校出身のキャストが揃い、自分がよそ者だと感じる若者たちの持つ秘密や交差していく気持ちをソリッドに描いた意欲作だ。本作の西崎羽美監督 (写真下)にお話を伺った。2025.05.11 23:58
「基地の問題は人権の問題」であることを伝え続けたい 『太陽(ティダ)の運命』佐古忠彦監督インタビュー 「筑紫哲也NEWS23」でキャスターを務め、精力的に沖縄取材に取り組み続けてきた佐古忠彦監督が、瀬長亀次郎以降の沖縄現代史と、その鍵となる二人の知事、大田昌秀さんと翁長雄志さんの人生や沖縄県知事としての苦悩と、県民とともに民主主義を諦めない姿を描く最新作『太陽(ティダ)の運命』。5月3日(土)~第七藝術劇場、5月2日(金)〜京都シネマ、5月10日(土)元町映画館他で全国順次公開されるのを前に、佐古監督に、沖縄現代史を紐解いた本作についてお話を伺った。2025.04.29 23:38
リマ・ダス監督、故郷アッサム地方にて4年がかりで作り上げた『ヴィレッジ・ロックスターズ2』を語る@OAFF2025 『ブルブルは歌える』(OAFF2018、スペシャルメンション)、『トラの旦那』(OAFF2023)のリマ・ダス監督最新作『ヴィレッジ・ロックスターズ2』が、第20回大阪アジアン映画祭特別注視部門作品として3月23日「テアトル梅田」(大阪市北区)で日本初上映された。 過去2作品が同映画祭で紹介され、今回が初来日となるリマ・ダス監督が上映後の舞台挨拶に登壇した。その模様と追加インタビューをご紹介したい。2025.03.23 06:54
『BAUS 映画から船出した映画館』映画館の歴史がひもとく”映画と街と人のキオク” わたしがコロナ下で神戸・元町映画館の運営メンバーとなってから早5年近くが経とうとしているが、自分が映画を映画館で観る側から、運営する側になってから、見える景色や想い、気がつくことは大きな変化を遂げた。そしてサブスクで多くの映画が自宅で観られるようになった今、昔ながらの映画館やミニシアターを続けていくことが極めて難しいということだけでなく、観客と来場ゲストとを結ぶ得難い場所として、やはりなくしてはいけない文化を担う場所の一つであることを実感している。2025.03.21 00:13
「「ハルコㇿ」は大げさに言えば地球がぐっと凝縮されている」 『そして、アイヌ』大宮浩一監督インタビュー 東京・大久保のアイヌ料理店「ハルコㇿ」の店主で、アイヌ文化アドバイザーなども務める宇佐照代さんの活動や、同店に集う多様なバックグラウンドの人たちにカメラを向けたドキュメンタリー映画『そして、アイヌ』が、3月15日(土)から第七藝術劇場、京都シネマ、今夏から元町映画館他全国順次公開される。 監督は、『季節、めぐり それぞれの居場所』『ケアを紡いで』の大宮浩一。照代さんのムックリの演奏から始まる本作は、アイヌ文化の伝承や世界の先住民族との交流を草の根レベルで行っている姿を映し出す。食や音楽、踊りなどの文化を通し、東京で暮らす照代さんたちの活動を通じて、民族やコミュニティのあり方など、さまざまなことを思いめぐらせたくなる、今こそぜひ観ていただきたい作品だ。 本作の大宮浩一監督にお話を伺った。2025.03.14 09:07
台湾のトム・リンやパン・カーイン初長編作も!第20回大阪アジアン映画祭、全ラインナップ発表! 第20回の節目を迎える大阪アジアン映画祭の全ラインナップとスケジュールが発表され、スペシャル・オープニング作品、第一弾ラインナップ、クロージング作品に続き、「コンペティション部門」、「特別注視部門」、「インディ・フォーラム部門」、特集企画<タイ・シネマ・カレイドスコープ2025>、<台湾:電影ルネッサンス2025>、<Special Focus on Hong Kong 2025>、「特別招待作品部門」の全67作品が出揃った。2025.02.14 07:00
第20回大阪アジアン映画祭クロージング作品が決定。高橋伴明監督×毎熊克哉 (主演)「桐島です」を世界初上映! 2025年3月14日(金)から3月23日(日)まで開催される「第20回大阪アジアン映画祭」のクロージング作品に、高橋伴明監督作、毎熊克哉が主演する「桐島です」(英題:I Am KIRISHIMA)が決定した。3月23日(日)ABCホールにて世界初上映される。 連続企業爆破事件に関与したとして指名手配され、49年もの逃亡の末、2024年に70歳で死亡した桐島聡。映画「桐島です」は、彼の知られざる半生を、報道・史実を元にフィクションを織り込んで描く社会派エンターテインメント。連合赤軍事件の映画化に挑む、スタッフとキャストたちの姿を描いた青春群像劇『光の雨』や、近年は『痛くない死に方』『夜明けまでバス停で』など精力的に作品を発表している名匠・高橋伴明の最新作だ。 実際の事件に着想を得て制作され、第96回キネマ旬報ベスト・テンをはじめ数々の賞を受賞した『夜明けまでバス停で』の脚本家・梶原阿貴との待望の再タッグ作で、『ケンとカズ』(2011)で観る者に激烈な印象を植え付け、2023年、2024年と2年連続で大河ドラマに出演し、話題作への出演が続く毎熊克哉が、桐島聡を演じている。≪コメント≫ 高橋伴明(監督)小さな町の小さな小屋でひっそりとかかっているようなそんな映画だと思っていました。誰よりも桐島自身が一番驚いているのではないでしょうか?ひそやかな沈黙の映画が誰かにそっと届けば嬉しいです。≪コメント≫ 毎熊克哉(主演・桐島聡役)このたび 「桐島です」 が数ある作品の中から第20回大阪アジアン映画祭のクロージング作品として上映されることになり、 大変光栄に思っております。 桐島聡が過ごした半世紀にわたる逃亡生活を演じながら、 自分が生まれる前の時代のこと、 現代、 これから訪れる時代のことに想像を巡らせました。 彼らは何に怒り、 憂いていたのか…。善悪をつけることではなくて、 この映画をきっかけに"想像すること"が広がっていけば嬉しいです。きっと我々は無関係ではないはず。大阪から日本全国へ、 そして世界中に届いていくことを願っています。2025.02.05 02:00
カザフスタンのミュージカル・エンタテインメント映画 『愛の兵士』がスペシャル・オープニングに決定!第20回大阪アジアン映画祭、第一弾ラインナップ発表3月14日(金)から3月23日(日)まで開催される第20回大阪アジアン映画祭。3月19日(水)メイン会場であるABCホールの初日に上映するスペシャル・オープニング作品に、カザフスタンの新星・ファルハット・シャリポフ監督のミュージカル・エンタテインメント映画『愛の兵士』が決定した。1990年代に一世を風靡し、いまなお第一線で活躍するカザフスタンの国民的人気グループA'Studioをフィーチャーした、美しい音楽と魅惑的なダンスが息をのむ傑作ミュージカル。暉峻創三プログラミング・ディレクターは、「記念すべき第20回を迎えた大阪アジアン映画祭は、未知の新しい世界に触発され、未来の見取り図へのヒントが得られる作品をスペシャル・オープニングに据えたいと、ずっと考えてきました。結果、迷うことなく選ばれたのがカザフスタン映画『愛の兵士』です。Q-POP(カザフスタンポップ)をふんだんに盛り込んだ、高揚感を禁じ得ないミュージカル・エンタテインメントでありつつ、高度に繊細で、洗練されていて、芸術的。本作を目にすれば、映画とポップスの両面で、アジアに予想をはるかに超えた新勢力が台頭してきたことを、誰もが確信するはずです。」とコメントを寄せている。2025.01.31 05:00