2020.07.31 11:04『死霊魂』国が下した不条理に耐えた生者と死者、魂の記憶 全3部545分に及ぶ、衰退する軍需工場と街や労働者を描いたドキュメンタリー映画『鉄西区』でその存在を知らしめたワン・ビン監督。私が初めて観た作品は、ワン・ビン監督が未だ中国のタブーである反右派闘争をテーマにした初の劇映画『無言歌』だった。右派分子と認定された人たちが送られた再教育収容所。特に、その中でも餓死者が続出したという、後期の3ヶ...
2020.07.30 09:09「Save our local cinemas」が伏見の薫酒とコラボ、「再開しました!ありがとう!日本酒を飲もう!」 緊急事態宣言発令直前に、応援Tシャツと寄付で関西ミニシアターを支援する「Save our local Cinema」プロジェクトが始動。わずか1週間でTシャツ受注総数13,227枚、寄付4,805口となり、1館あたり280万円が支援金として参加した13館に配分された。緊急事態宣言解除後各映画館が無事再開したことは、多くの映画ファンにとっ...
2020.07.29 12:53【オンライン会場が充実】9/16開催のSSFF & ASIA2020、ポン・ジュノ監督短編他話題作を上映。 新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、当初予定の6月開催延期を発表していた米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)が、2020年9月16日(水)~27日(日)に開催決定。9月16日(水)には、オープニングセレモニーを開催予...
2020.07.27 12:41『アルプススタンドのはしの方』応援席にもアツいドラマがある! 夏の風物詩だった甲子園での高校野球がない今年は、その応援の声も聞こえず残念な限りだ。そんな特別な年に、いつもの高校野球応援席なら浮かび上がるかもしれない景色を見せてくれるのが、城定秀夫監督最新作『アルプススタンドのはしの方』だ。甲子園の外野席と内野席の間の席を指すアルプススタンドは、吹奏楽をはじめとする応援団がいつも熱い応援を繰り広げる...
2020.07.27 00:07「イスラーム映画祭5」8/22より名古屋シネマテーク、9/19より元町映画館で開催決定! 4月開催予定から延期になっていた、今年で早5回目を迎える「イスラーム映画祭5」が、8月22日(土) から 28日(金)まで名古屋シネマテーク(名古屋篇)、9月19日(土) から 25日(金)まで神戸・元町映画館(神戸篇)で開催決定した。 今回の映画祭では、特別上映として、預言者ムハンマドを祖とする“イスラームの起源”を描き、1977年に...
2020.07.23 13:18なら国際映画祭2020尾花座復活上映会開催!『37 セカンズ』『カツベン!』『人生フルーツ』を上映&トークイベントも。 かつて奈良の人びとに愛された映画館「尾花座」が『なら国際映画祭2020』開催に先駆け、尾花座復活上映会と題して7 月 23 日(木・祝)から 26 日(日)までの 4 日間限定で復活。元尾花座支配人・現ホテル尾花会長である、中野重宏さんがトークイベントに登壇した。 はじめに、なら国際映画祭代表理事の中野さんが「かつての尾花座の雰囲気を少...
2020.07.23 12:50『追龍』蘇る九龍城砦!権力相手に”抗う自由”を見せつける! 香港の一国二制度が形骸化する国家安全維持法があっという間に成立、民主派団体が相次ぎ解散を表明する中、毎年香港で大規模なデモが行われている7月1日には、香港独立の旗を持っている人が逮捕されたというニュースが流れ、日本でニュースを見ているだけでも、香港がもはや自由な表現ができる状態ではないことが窺い知れた。香港の未来に悲観的な気持ちを抱く人...
2020.07.23 11:01「沖縄戦の全貌」から、今の時代を考え、未来を作るための手がかりが見える。『ドキュメンタリー沖縄戦 ~知られざる悲しみの記憶~』太田隆文監督インタビュー 戦後75年を迎える今年、沖縄戦を描いた唯一の作品となる『ドキュメンタリー沖縄戦 ~知られざる悲しみの記憶~』が、7月31日(金)より京都シネマ、8月1日(土)より第七藝術劇場、8月14日(金)より神戸映画資料館 にて全国順次公開される。 監督は、『朝日のあたる家』の太田隆文。太平洋戦争で日本唯一の地上戦が展開された沖縄戦を、体験者の証言...
2020.07.16 14:54『WAR ウォー!!』黙って見るのがツラい!驚き連続のボリウッド版『ミッション・インポッシブル』 新作アクションに飢えている!マッチョに飢えている!ボリウッドに飢えている〜〜〜!!!コロナ禍の今、これぞエンタメやねん!みたいな作品は、日頃それをそんなに求めていない人にも、モリモリと元気を与えてくれるのではないだろうか。かくいう私も、最近2時間以内のボリウッドも増えてきた中、久々のインターミッションマークありのたっぷり尺、スパイアクシ...
2020.07.14 13:30『ぶあいそうな手紙』目は見えなくても心は見える いい映画というのは、そこに本当に豊かなものが含まれている。ただ物語を追うだけでなく、その会話の端々、散歩で見る光景、主人公の行動を観察しているだけでも、いろいろな発見があり、調べようと思うことが続々と出てくる。南米、ウルグアイにほど近いブラジルのポルトアレグレから届いた人生を変える出会いの物語は、今はなかなか難しい人と人との出会いや触れ...
2020.07.14 13:00『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』今闘い続けていることを果敢に描く、フランソワ・オゾンの新境地 フランスで起きた、神父による児童への性的虐待事件は社会を揺るがしたというが、それは決してフランスのことだけではない。この6月にカトリック神父からの性暴力被害を告発する集会が長崎で開かれ、女性信者が被害体験を語ったというニュースを目にし、決して対岸の火事ではなく、私たちの社会で声をあげることができず、苦しんでいる人たちがたくさんいることを...
2020.07.14 11:32シネ・ヌーヴォ渾身の日本映画大回顧展「没後50年 映画監督 内田吐夢」7/25より開催 毎年夏の恒例になっているシネ・ヌーヴォ(大阪:九条)の日本映画大回顧展。今回は7月25日(土)から8月28日(金)まで、今年で没後50年を迎える戦前戦後にかけて活躍した日本映画の巨匠・内田吐夢監督のサイレント時代の作品から遺作まで、全25本を一挙上映する。 サイレント作品からは劇映画第1回監督作品『虚栄は地獄』、95年にプラネット映画資...